【KAC20247】色について考える

雪うさこ


 ちょっとKAC2024年7作目のテーマ「色」って難しい。そして時間がなかった。これは皆勤賞のための苦し紛れのエッセイです。


 色っていうと、人間はずいぶんと小さいころから触れているんだなって、我が子を見ていると思います。長女が生まれてすぐに知育絵本を開くと、ぱっと目につくような色がたくさん。「これは赤、これは黒だね~」とか言いながら絵本を読んだ記憶がありますね。子供の絵本に出てくる色って、赤、黒、黄色が多いのかな。赤ちゃんの目には、その色がよく見えるのでしょうか。


 調べてみると、生後一か月くらいは赤ちゃんの世界は灰色みたい。そのあと、三か月くらいまでは、赤、黄、緑などが見えて、それ以降にオレンジや紫、青などが見えるとのこと。へえ。青って結構後なんだ。だから、簡単な絵本には青色が少ないのかって納得。


 こうして成長していった色覚は、濃淡までも理解していくんでしょうね。色っていうのは右脳に作用するそうです。小さいころから色に接していると、感性が磨かれる。などほどね。確かいに、季節や温度により変化する空の色を感じたり、その人にピッタリな色を見たり。イマジネーションを刺激するとのこと。


 なるほどね。色彩感覚ってセンスもあるなって思います。おいおい、なんでその色にするかなって服着ている人いますよね。車の色とかもそうじゃないですか。


 初めて持った車はワインレッドでした。中古車で選べなかったということもありますけれども、女子だし。気に入っていました。けれど、この車。結構ぶつけられましてね。初心者で下手だったってこともあるかもしれませんが。なぜかぶつけられた。


 その話をしたら、同僚の医者から「ワインレッドは夕暮れ時に見えにくい色だから。事故にあいやすいよ。やめたほうがいい」って言われました。へえ、そんなことあるのか。なら、と次は黒色の車にしました。黒ね。かっこいいです。けれども汚れが目立ちます。すぐに洗わないと、かっこいい感じが残念になってしまいます。お手入れが大変でした。


 次の車は白です。これはスタンダード。白はいいです。雪かぶっていても目立ちません。確かに人気の色なわけだ。


 で、次の車。離婚したばっかりだったので、初心に戻ろうと赤を選択。営業さんに赤い中古車を探してもらいました。数か月後。「雪さん、めっちゃいい車見つけたっす」と言われて見に行ったところ、目の前には青い車。「え……? ええ?」って。コミュ障だからさ。なかなか言い出せない。けど、「赤がいいんです」と勇気を出して言いました。すると、なぜか営業さんは「え、赤じゃなかったんですか?」って。どんな勘違いだ。


 けど、見てみると気に入りました。赤よりいいかも。結局は青い車に乗っています。色にはこだわりがないわけじゃないけれど。新しい色を持ってみたい、使ってみたいという好奇心もあります。今まで持ったこともない色を持ってみたら、「お、案外いいじゃん」ってこともあるわけで。新しい私を見つけられた気がします。


 色にこだわる人もたまに見受けられます。同僚の子はピンクが好きすぎて、男の子なんですけど、七五三にはピンクのドレスを着たくて泣いたそうです。それだけピンクがお気に入りだったか……。その子も今では中学生。ピンクなんて好きじゃねーとか言っているでそうですけれども。


 娘の元担任の先生が「みどり」先生といいます。みどり先生は、車も持ち物も緑色。自分の名前に因んで色が好きなのでしょう。逆に「みどり」に縛られているような気がして、恐ろしい気持ちになります。


 そう考えると、色って生活に密着していて、その時の気分にも左右されたりする割に、色に縛られてしまうこともあるんだなって思います。なにかもらうときに、「どうしてもこの色じゃなくちゃいや」って泣く友達もいたな。何色だっていいじゃんって思っている反面、やっぱりもらえるなら好きな色がいいし、好きな色を持って歩きたいって思うのかも。


 色というものは、なかなか奥が深いものだと思います。同じ色でも、時代によっては忌み嫌われる色になることもあれば、好まれる色になることもあります。人は視覚からの情報がかなりのウエイトを占めているのですから、致し方ないのかもしれませんね。


 今もそうなん? よくわからないけれども。色を手に入れるために、植物や鉱物をすりつぶしていたということを本で読んだこともあります。色がなくても困らないのかもしれませんが、灰色の世界よりは、色とりどりの世界のほうがいいもんな。色って、どうしてできたんだろう? そもそも、色ってなんだろう? そんなことを突き詰めて考えてみると、面白いのかなって思いました。


 ということでつらつらと書きましたが、色って興味深いということです。ごめん。もう時間ないっす。私のエッセイの出張版になっていしまいましたが、今日は色について書いてみました~。



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