恋愛音痴だった大学時代の黒歴史
逢坂 純(おうさかあつし)
恋愛音痴だったあのころ
僕は恋愛とも呼べるような恋愛をあまりしてきていなかったように思います。大学時代は映画と篠原ともえに夢中の学生生活を送っていました。たくさんのやりたい事があって、恋愛には興味がなかったのかも知れません。
僕に好意を持ってくれる女の子もいました。
だけど、当時の僕は、映画と篠原ともえに夢中だったのです。恋愛には興味がなかったように思われます。というより、僕に好意を持ってくれている女性がいたのだということさえも、分かっていなかったのです。彼女はおしゃれで、人に気遣いができて、言葉選びもセンスが良くて、とても素敵な女性でした。そんな彼女とは、僕が作った自主制作映画を撮影する際に、出演してもらったり、一緒に行きつけの焼き鳥屋に二人で行ったりしていました。それでも僕はその子に恋愛感情を抱いていなかったのかも知れません。その頃の僕は恋愛よりも何かもっと他のことに夢中になっていたような気がします。
周りの同級生たちは、皆、恋人を作り、恋愛を楽しんでいました。僕だけが恋人もいないで毎日を先輩たちと遊びに行ったりバイトをしたりと、恋愛以外のことに、毎日勤しんでいました。
先日、友人から言われました。
「あつしさんは恋愛音痴だからなー」と。
そうなのです。恋愛音痴なのです。
大学時代のある夜、僕に好意を持ってくれている女の子が、一人で家から30分くらいの時間を掛けて、突然やってきました。
当然なら、夜ということもあるだろうし、家に入ってもらって、お茶の一杯でも飲んでいってもらうのが普通でしょう。しかし、その時の僕は、汚く汚れた自分の部屋を見られるのが嫌だったのか、その彼女をすぐさま玄関口で追い返してしまったのです。夜に帰り道を一人では危ないと彼女を家まで送ってあげるということもしませんでした。そんな配慮にも欠けていました。彼女はその時、どんなことを思ったでしょう。今、考えると本当に無神経な男だったな、と僕は思います。でも、その時は分からなかったのです。自分に好意を持ってくれる女性が僕の人生の中にもいるということを。それはもしかしたら、僕の勝手な勘違いであったのかも知れません。もしかしたら、彼女が自分のアパートに戻ったら、彼女の男友達、女友達がいて、彼女たちは僕をからかっていただけなのかも知れません。だから、これも僕の黒歴史です。
恋愛音痴だった大学時代の黒歴史 逢坂 純(おうさかあつし) @ousaka0808
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