僕の天上の青は――

――自分が死んだ際には、家族の者がそのことを伝えに、メリル氏の元に赴くように。
そう伝えられ、小さな指輪を渡されたのは、曾孫の少女だった。

誰一人知らない、メリル氏。
子どもの指にしか嵌りそうにない指輪。

彼女はメリル氏から、かつての曽祖母との思い出を知る。
かけがえのない存在と、壊してしまったもの。それでも、大切なもののために手放したもの。
目の前にいる娘の瞳は、よく似ているけれど――自分の望む色は、ただ一人の瞳だけ。