仮面ライダーになった男

@ryuudi

第1話 脱出

実験体に志願したのは、これまでに培ってきた経験や、鍛錬で身体を酷使したことでボロボロの身体を改造でもなんでもしてもらうためだ。


経緯はともかくボロボロの身体のやつは俺の他にも大勢いた。

身体の機械化ではなく、ナノマシンでの身体の治療と老化の克服を併せた薬物実験だと聞いて志願したのに、実際は違っていた。


行われた実験は身体を台に拘束され、他の生物の遺伝子とナノマシンを併せた薬物を投与されどの位で身体が変化するのかという、非人道的な実験だった。


この研究は有名な企業と国が組んで行うということで安全だと思って参加したのに。と後悔したが、不幸中の幸いなのか、俺は幾ら薬物を投与されても外見で分かる特徴は表れなかった。


外見では表れなかったが視界の切替が出来るようになり身体能力も向上していたし、ナノマシンと会話も出来るようになってしまった。

ナノマシンにも群体単位で個体差があって、聴こえてくる情報が多すぎて、対処出来るようになるまでに18年位身体の自由が効かず糞尿を垂れ流す廃人になっていた。


意識を外に向けることが出来るようになって先ずしたのは情報収集だ。掛かった時間はほんの数分でも、十分な情報を得られた俺は廃人が集められているこの窓の無い部屋から脱出する。

脱出する際に混乱を起こせば逃げやすくなるので、他の奴等にも起きてもらう事にした。

方法は簡単だ一時的に脳内の思考速度を限界ギリギリのラインまで上げる事プラス皆一斉に起きてもらうように調整するだけだ。

後の事は各々個人で頑張ってもらう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

仮面ライダーになった男 @ryuudi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ