お題『トリあえず』の上質な謎に気がついていますか？

『トリあえず』には謎があります。

『KAC2024 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2024～』第６回目のお題『トリあえず』は、この5文字だけで十分なミステリーになっている事にどれだけの人が気が付いているのだろうか？

　このお題で創作するには、謎を解くだけで１つの綺麗な作品になる。

　謎を解くまえにまず、このお題で話を書こうとすると以下のパターンに分類される。

　①『トリあえず』をそのまま使用した作品

　例えば、何かをする前に『トリあえず』こう言う事をした。あるいは話を一旦置いておき『トリあえず』話題の転換を行う話。

　②『トリあえず』を分けて考えた作品。

　例えば、チキンカレーを作るとき、私は鳥和（とりあ）えず、別々に煮込みます。あるいは雀と鳩は１０年後に再開しようと約束したが、鳥逢（とりあ）えず、更に幾年が過ぎた。

　など。

　今回の『KAC2024 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2024～』のお題には②のパターンで考える方が多いと思われる。

　そして、そのお題を如何（いか）に崩し、他者の作品と違いを出すかに全力を出しているのではないだろうか。そしてそんな中でも『トリあえず』では、大きく分けて『トリ』と『あえず』で考えている方が大半なのではないのだろうか？

　トリ。鳥。鶏。酉。採り。撮り。などなど。

　あえず。会えず。逢えず。合えず。などなど。

　さて、ここからが本題だ。

　この『トリあえず』のどこに注目したら面白くなるのか？何をすべきか。

　実は既に謎としてこの『トリあえず』の文に書かれているのだ。

　結論から言うと『あえず』では無く、『トリ』に注目して話を書くべきなのだ。

　それは何故か？

　この『トリあえず』の文。パッと見るとおかしくはないだろうか？もし、先程の『話を書くときの分類』で創作させたいとの思惑があるのなら『トリあえず』では無く『とりあえず』と書いておいた方が、もっと思考に広がりが生まれるはずだ。それをあえて『トリ』と表記している事には意味があるのだ。

　つまりこれこそが、このお題の謎の部分であり、答えを導く事で１つの綺麗な話として完結させる事ができるものなのだ。

　よく考えて欲しい。

　何故『あえず』は平仮名なのか？

　反対に『トリ』は片仮名なのだろうか？

　そう。

　お題を考えた人がお題に隠した謎とは『トリ』を上手く使って欲しい。と言うことなのだ。

　私がこの謎に導き出した面白く書くための必要な事とは、このお題の『トリ』の『受けトリ片仮名（かたかな）』と思うのだ。

　如何だっただろうか？

　何故『トリあえず』のトリが片仮名であったのか、謎が解けたのではないだろうか？

　これは『トリあえず』に隠されたミステリーを解くお話でした。

　了