【第四話】
なんでも町のシスターさんのお話。
登場人物
マリエス
なんでも町のシスターさん。
この町の教会にやってくる人の悩みを聞いてなんとかしようと奮闘中
【第四話】
私の名前はマリエス。
教会に務めるシスターをやらせて貰ってますわ。
で、私のいる町はなんでも町といいますわ。
なかなか変わった町の名前ですけど、この町で取れる野菜は美味しいですし、害獣もそれほどいませんから、暮らすのには良い町だと思いますわ。
そして、今日も私のいる教会に誰がやってきたみたいですわね……
「なんでも町の教会にようこそ。何かご要件ですか?」
私の前に現れたのは、一人の女性でした。
女性の格好は黒髪に漆黒のローブを纏っていて、なんだか怪しい雰囲気を感じますわね?
でも顔は美人ですわ。この人、結構オモテになると思いますわ。
そんな彼女が私に何の用なんでしょう?
「貴方がこの教会のシスターか?」
「そうですわ、私がこの教会のシスター、マリエスですわ?貴方は何者なんですかね?」
「おっとこれは失礼した、私の名前はクロ、主に黒魔術士をしている者だ、マリエス殿、黒魔術師はご存知かな?」
「黒魔術士ですか、黒魔術士は確か、闇の魔力を操る者と聞いていますが、貴女の格好を見ていると……どちらかと言うと闇の者ですわよね?そんな貴女が私に何の用なんです?」
「実は……ある者から相談してな?アドバイスをくれると聞いたからやって来たんだ。私の話を聞いてくれないだろうか?」
「ある方と言うのが気になりますが……まあいいですわ、それでクロ様、何のご相談です?」
「ああ、実は……私の黒魔術がおかしいから何かアドバイスが欲しくて、ここに来たんだ。マリエス殿はシスターという事は、白魔術が使えるのではないか?」
「ええ、使えますわ、私の使える白魔術は主に回復系の魔術ですわね。攻撃系の白魔術はどうやら才能が無かったみたいなので、無理でしたわ。その……クロ様の黒魔術がおかしいって一体どんなのなんですの?」
「私の黒魔術は、主に影を使って操作する系なんだが、実際にやってみるから、見てくれないか?」
そう彼女が言うと、懐から一本の杖を取り出して
「シャドウボール」
そう彼女が唱えると、彼女の影が揺らめいて形を作っていき…
暫く経つと何かに変貌していた。
見た目は、何かの生物に似てる気はしますけど、なんなんですの?これ?
「これが相談事なんだ、実は今、私が唱えた術と言うのはシャトウボールって言って、影の球を出現させる術なんだが、何故かこの術を唱えると、意味不明な生物が出来るんだ……で、相談に来たのはこれを消そうとしたのけれど、消せなくてな?マリエス殿の白魔術ならなんとかできるかと思ったから来てみたんだ。前に同じ術を試した時、またこの現象が現れたので、別の町の白魔術師に頼んで消して貰ったんだ、マリエス殿。私は何をすれば元の術が出来ると思う?」
ええ……そんな事を私に聞かれても困りますわ……私、黒魔術はさっぱりですわよ!?
と、とりあえずこの場合何を言えばいいんですの?けど……ここは、何か言わないと不味いですわね……
「そうですわね……まず私の魔術、白魔術がこのシャドウボールに効くのか?試してみますわ」
そう言った私は、教会の奥に行き、一本の杖を持ってきて、それを構えて、私の覚えている白魔術。ホワイトシャワーを唱えてみましたわ。
するとクロ様が作り出した闇魔法の、謎生物?は奇声っぽい声をあげたあと、消滅しましたけど……
え……生き物でしたの?
魔術に生命が宿るとか聞いた事ないのですけど?
ま、まあ無事に消えたことですし、これはこれで問題はないと思いますわ。
あとは相談事の件ですが……
とりあえず私が言える事を言っておきますわ。
「何とか白魔術で消すことはできましたが、相談事の内容ですが、まずその使用魔術を詳しく学ぶと言う事をお勧めしますわ。もしかしてクロ様、その黒魔術はどうやって覚えましたの?」
「私が覚えたのは、使ってる師匠がいたので、それを真似てみたら出来たんだ。それに師匠からはお前には黒魔術の才能があると言われてな……もしかしたら、私は黒魔術の才能は無いけど、使えるだけだったのかも知れないな……そうか……勉強か……マリエス殿、教えてくれて感謝する。では私はこれで」
……どうやら納得頂けたようでよかったですわ。
それにしても……クロ様の使った黒魔術。
あれは何だったんでしょうか……
気にはなさいましたけど、深く考えないことに致しましたわ。
それにしても……今回は黒魔術師ですか……
このなんでも町に集まってくる人たち、なかなか個性的に感じるのは私だけですかしらね………
なんでも町のシスターさん ロスト @rosutos
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。なんでも町のシスターさんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます