【第三話】

なんでも町のシスターさん


登場人物

マリエス

なんでも町のシスターさん

この町で人の悩みを聞いて

どうすればいいのか?奮闘中



なんでも町の教会にいるシスターさん

この町の住人は、とても癖が強いみたいです。


【第三話】



私の名前はマリエス。

この町の教会でシスターを努めていますわ。

何か最近、とても変わった人たちがこの教会に訪れていますが……気の所為ですわね?

どうやらまた、この教会にやって来たみたいですわ。私の前にやって来たのは、フードを被った一人の人物ですわ、フードを被っていますから性別はわかりませんわね?

でもせっかくやって来たのですし、こちらから話しかけてみますわ。


「この教会にようこそ、一体何の御用ですか?」


私がそう語りかけると、フードを被った人物は



「ちょっと相談があるのだが、よろしいか?」


とても渋い声で話しかけて来ましたわ、もしかしてこのフードの人、男の方ですかね?まあ、相談があるみたいですし、私が聞いてみますわ?


「相談ですか、一体何の用か解りませんが、聞いて差し上げますわ?では、相談事はなんでしょう?」


私がそう言うと、フードを被った人物は


「実は私、人ではなくて、魔物なんだ。シスターさんは鬼と呼ばれる種族は知っているかな?」


そう言ってフードを取って現れたのは、頭に二本の角が生えていて、肌色が赤黒い鬼が現れましたわ。鬼と言う種族ですか……

聞いた事があるのは、大陸に生息している魔族で、人間と敵対関係の種族だったような気もしますわね?けど……そんな鬼のこの方が私に何の相談があるのですかね?


「鬼ですか……聞いた事はありますけど、実際に見るのは初めてですわ?その鬼の貴方が何の相談を私に?」



「ああ、その事何だが……実は……俺、子供が好きなんだ。子供が好きと言っても、襲うと言う訳じゃくて、子供の手助けをしたいなといつも考えてるんだが……俺の見た目がな……子供に近づこうとすると、子供達が逃げてしまうんだ……シスターさん、こんな俺は一体どうすればいいのかな?」


そんな相談を私にですか……

そんな相談をされても困りますわ。

この人、いやこの魔族。人では無いですけど、悪さをするようには見えませんわね?

けど私は、一応神職者。魔の者とは相容れない関係だと思うのですけど……

でも、せっかく私に相談をしてくれたのですし、私が助言しなくちゃいけないみたいですわね?


「解りましたわ、では私が助言致します。まず子供達が逃げるのは、貴方の見た目が怖いからですわ、見た目が変えられないのでしたら、あとは行動で示す事です。子供達に向き合って、きちんと対応していれば、子供も懐いてくれると思いますわ」


私がそう言うと、この鬼の人は


「そうか……ありがとうシスターさん。俺、シスターさんの言うとおりにしてみようと思う。シスターさんに相談して良かった、シスターさんの助言通りに行動する事にするぞ!ありがとうシスターさん!」


鬼の人がそう言うと、私から離れて行きましたわ。えっと………これで良かったのですわね?

まあ……助言はしましたし、あの方が何をするかは解りませんが、これで良しと言うことにしますわ……


その後どうなったのかと言いますと

何故か私と友達になってくれた魔王のマオさんが話すには、この町に鬼が現れて、子供にお菓子を笑いながら配ってたらしいですわ。

何でも最初は子供達はその姿に恐怖を感じてたみたいですけど、その鬼の人は子供達に丁寧に話したみたいで、子供達も見た目だけが怖いだけで、問題ないと判断したらしく、その鬼からお菓子を貰って喜んでるってマオさんが語ってくれましたわ。

うーん……これで本当に良かったのでしょうか?

それにしても……魔王のマオさんに鬼の人……

この町、なんかどんどん変な人たちが増えているのは気の所為なのでしょうか………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る