トリあえず書いてみる

八咫空 朱穏

トリあえず書いてみる

 トリあえず話を書こう思うけれど、モチベーションがなくて他事をしてしまう。そんな時はトリあえず始めてみるのがいい。モチベーションは後から勝手に付いてくるものだ。


 話を書くにはテーマがあるとよい。テーマというのは何でもいい。例えば、『男女の恋愛』だったり、『お寿司』でだったり、『花言葉』だったり。割となんでもいい。もうそれを考えるのが面倒というならば、お題メーカーを使うとよい。自分で書きたいテーマよりも他人から与えられたテーマの方が思考力というものが働くのである。KAC2024のお題を例に挙げれば、『住宅の内件』や『ささくれ』、そして今回の『トリあえず』はかなり頭を悩ませたテーマと言える。


 テーマが決まったらトリあえず構成を練ってみる。それを面倒と思ったならば、すっ飛ばしていきなり話を書き始めても問題ないと思う。実際問題、現在進行形で構成なんて決めずに文章を書き連ねているのだから。ちなみに話を書くだけであるならば、他の要素という者はさほど重要ではないと私は考えている。なんというか、「これだけ文章を生成できたんだぞ!」っていう気持ちになれるだけでも書いた意義があるというものだ。


 さて、トリあえず話が書けたら次の問題が浮上してくる。


 この話、面白いのか?


 これは誰しも思うところだと思うし、私も常々思っていることだ。だが、面白さや文章の高度さを求めているのならば、まずは文章を書けるようになる必要がある。結局のところ、書くというアウトプットをしなければ文章は上手くならないのである。自分でつまらないと思ったものにせよ、会心の出来だと思ったものにせよ、それは間違いなく今の自分が生成した文章であり、その時点での自分の実力なのだから。


 最後まで書いておいてなんなのだが、案外トリあえずで書いてみるのは悪くない。この話が面白いかどうかはわからない。ただ、少しでも誰かに影響があればいいなぁと思いつつ筆を置こうと思う。

 


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