悪い女性ですね~!冒険者たちを落ち着かせる良い方法?

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 悪女さんがやってきた!落ち着かない冒険者たちが落ち着きを取り戻す方法を、教えます!

「ああ、いやだ。最近の冒険者って、ゆるっ!」

 ある世界のある冒険者ギルドで。

 シブヤさんという女性が、カウンターで困り顔。

「冒険者たちに、落ち着きがない!剣と魔法の世界では、心を落ち着かせていられる冒険者が必要なのに…」

 その通り。

 いつモンスターが襲ってきたり、いつ大災害が起こるかわからない日々には、心を落ち着かせていられる力が必要。

「うるさ~い、静かにして!」

 冒険者には、心を落ち着かせたクエストが必要だっていうのに。

「もっと、落ち着きをもってよ!」

 にぎやかギルド。

 ゆるハウス。

 ちょうどそのころ、ギルドの外で痛いうわさ話が流れていた。

「落ち着く心が生まれないと、真の冒険者にはなれないらしいよ」

「みたいだな」

「近所のギルドから出た話、でさ」

「おっかねえ姉ちゃんがカウンターに立っているギルド、だろ?」

「そうそう。あのギルド」

「そのギルドの裏庭が、面白いらしいな」

「裏庭ね」

「心を落ち着かせる力が、あるらしいじゃないか」

「ああ。ギルドの裏庭には、ずっとスライムが乗っている岩があるらしいな」

「まったく、動かないんだろう?」

「みたいだな」

「落ち着いているよな~」

「やっぱり、忍耐と落ち着きの象徴なのかな?」

「かもな。真の冒険者になりたければ、そいつに負けないくらい落ち着けということになる」

「面白い!そのギルドに、登録しにいこうぜ」

 うわさが広がる。

 大勢がシブヤさんのいるギルドで冒険者として登録し、裏庭を見にいくようになった。

「これか…」

「たしかに、スライムが岩にへばりついている」

「全然、動かないな」

「ようし!スライムと、落ち着き勝負」

「負けないぜ!」

 冒険者たちと岩スライムのがまん大会が、スタート。

「私って、頭良いよね~」

 そのスライムは、ニセモノ。

 シブヤさんが一流の絵描きに頼み、冒険者たちから 5メートルほど離れた裏庭の岩に描いてもらったリアルな絵だった。

 動くわけない絵のスライムを見て、冒険者たちに静かになってもらいたかったわけね。

 本物かどうかなど、離れた場所にいる冒険者たちにわかるわけがない。

「やった!うちのギルド、大人気!」

 変なうわさを流してギルドの客を増やしたの、シブヤさんだな~。

 悪女です。

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