黒歴史 タイトル:『ドキドキめもりある』
マサムネ
ドキドキめもりある
自分は、
小中学生当時、少年ジャンプを読んでいても、桂正和先生の漫画は、『きっと自分の年では読んではいけないものなんだ』と飛ばしていました。先生の描くパンツのしわは、実写よりもエロいですよね。
はて、飛ばしていたはずなのに、なぜ記憶に……
結局はただの初心と書いてムッツリスケベと読む少年だったわけですが、そんな少年が当時読んでいたゲーム雑誌で、とあるゲームと出会います。
『ときめきメモリアル』です。
普段ならゲーム雑誌なんて家族のいる居間で堂々と読んでいますが、その記事だけはこっそりと読みます。
そして、頭の中の天使と悪魔。理性と煩悩。
興味あるんだろ、買っちゃえよ!
いやいや、このゲームは自分の買うゲームじゃないさ。
……でもまあ、中学生にもなればそろそろこういうのもありなんじゃないかな?
おっと、あっさりと理性が決壊寸前。
そんなところにイベントビジュアルドーン!
ヒロイン『藤崎詩織』の水着でスライダー!!
ズキューーーーーン!!!
どうしよう、欲しい。このゲームやりたい。
そうだよ、もちろんまだ彼女なんていないけどさ、予行演習というかさ、自主勉強というかさ、そういうのもいるんじゃないのか?
すっかり買う方向で理性君も一緒になって考えてくれちゃう状態。
自分の中では9割がた決心しているわけですが、ここで想像力がストップを掛けました。
親にこのゲームをやっているところを見つかったらどう思われるのだろうか……。
別にエロビデオを見ているわけじゃないんだから、気にする必要なんてありはしないさ。
いやいや、PS版発売当時は1995年、世間一般にアニメ、ゲーム、オタクがそこまで受け入れられていない。今現在の2024年はテレビのCMでも平気で美少女キャラクターが出てきますし、パソコンやらスマホのネット広告では、『藤崎詩織』の水着姿がなんぼのもんじゃいな画像が出てますけど、当時は違います。
そんな時、協力的な理性君がアホな提案をしてきます。
あらかじめ、親も知っていれば問題ないんじゃないかい?
んなアホな。
見つかったらどうしようと言っているのに、先に知らせるとはどういうこと?
理性が暴走するとろくなことになりません。
しかし、当時の自分はこう思います。
なんてすばらしいアイデアだ!
まあ、理性がアホだから、その元もアホですな。
そして、無駄に行動力のあった自分は意を決して母親に声を掛けます。
「あのさ、俺もさ、中学生じゃん?」
「あ、うん。そうね」
「だから、女の子にも、それなりに興味あるじゃん」
「………」
「こういうゲームがあってね」
ゲーム雑誌を炬燵の上にどんと広げました。
そして、『藤崎詩織』の足を広げてスライダーを滑るイベント画像がドーン!
「ごめん、何もない。気にしないで」
やっぱりないってそれは!
母親に何を見せようとしてんの俺は!!!!!!
自分は寸前でその本を閉じました。
「……あ、うん」
母親はきっと、おそらく、たぶん、何のことだか分からないままだったと思いますが、特に追及することなく、その会話を終了させてくれました。
今思い出すと、あの時の母親のスルーはマジ神対応。
未遂に終わりましたが、これが自分の(人に話せるレベルの)黒歴史的恥ずかしい思い出です。
大学では実家を出て一人暮らしをしていましたから、いろいろなゲームをやりたい放題でありました。
『ときめきメモリアル』はやらず、続編の『ときめきメモリアル2』やりましたが、今思うとなかなかにストイックなゲームですよね。恋愛シミュレーションというだけあって、どれだけ自分磨きが大事か分かりますし、女の子同士の情報網の怖さも実感しますね。あの頃は水着イベントの一枚絵を見るだけでも、大変な時代でした。ああ、懐かしや。
P.S.
わたしは『ときめきメモリアル2』では『赤井ほむら』がお気に入りで最初の攻略対象としました。攻略本や攻略記事はみずに進めた結果……親友キャラの『
クリスマスイベントまではいい感じだったのに、ちきしょーーーーー!!!
黒歴史 タイトル:『ドキドキめもりある』 マサムネ @masamune1982318
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