【ショートストーリー】こころのひかり
藍埜佑(あいのたすく)
【ショートストーリー】こころのひかり
昔々、ある静かな森の中に、「こころ」という名の小さな光が生まれました。
こころはキラキラと輝きながら、森の中を飛び回り、花や木々、動物たちと遊びました。
ある日、こころはおおきな木に尋ねました。
「ぼくはなぜ生まれたの?」
おおきな木はそっと答えました。
「きみはこの森をもっと美しくするために生まれたんだよ」
そして、こころは小川にも同じことを聞きました。
「ぼくはなんのために生きているの?」
小川はチャプチャプと楽しげに答えました。
「きみはたくさんの新しいことを学んで、成長するために生きているんだよ」
ふと、こころは夜空を見上げて、星に尋ねました。
「ぼくはなんのために死んでいくの?」
星は優しく輝きながら答えました。
「きみは新しい光に道を譲り、森の記憶となって永遠に生き続けるために死んでいくんだよ」
こころはそれを聞いて安心しました。
生まれてきた理由、生きる意味、そしていつか訪れる別れが、すべて森の大切な一部であることを知ったからです。
こころは毎日、新しい発見をし、友達と遊び、森を輝かせ続けました。
そして、いつの日か星になったとしても、こころの光は森の中でいつまでも輝き続けるのでした。
(了)
【ショートストーリー】こころのひかり 藍埜佑(あいのたすく) @shirosagi_kurousagi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます