第10話

「今尾さん、開けてください、今尾さん。努さんはどこにいるんですか?今尾さん、

ご存じでしょう…今尾!」


「…もうここにはいませんよ。」


「おい、お前が仕向けたんだろ。最初から…。」達也はその場で泣き崩れた。

もう行くぞ、達也。例の路地裏に」


今尾さんが言っていた通りカガミは液体に近い状態まで来ている。これを飲めば僕は元の姿に戻れる。けど同じ人生が繰り返される“永遠の命”。響きは良いけど全く成長も退化もしない体、つまらないかもしれないけど元の僕に戻るにはこれしかない他の選択肢はない。

段々溶け始めた鏡を眺めながら努は涙を流した「本当に良いんだよな、これで。」

努は溶けてきたカガミを手に取り口を開けてカガミを口の上に持ってきた。滴る液体を上目に努は笑いかけた「これで全て元通り。」


「努!」達也は走りながら叫んだ。

「もう手遅れですよ。僕は“永遠の命”を手に入れました。」努は溶け始めた自分の体を眺めながら達也たちに言った。

努の体は完全に液体化した状態から蒸発を始め、努の体は煙になり上空へと飛んで行った。

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マリオネット 串サカナ @kkawa3128

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