はなさないで♡そのぉぉぉぉ手ェェェェをぉぉぉWOWWOW

タルタルソース柱島

その手をはなさないでェェェェ!!!

おっさんは悩んでいた。

抱えた頭が爆発しそうだ。

「うううーーーーーーーーん」


遡ること一時間前。

上司のカシワラが机の横にやってくるなり開口一番こう言ったのだ。

「キシベ、おまえ歌詞考えて。で、二週間後の会議でプレゼンな」

と。

いや他にもなんか言っていた気はするが記憶にない。


仕事とは理不尽なものだとはいえ、おっさんことキシベには断ることができなかった。

というのも営業成績が振るわず、あわやクビという危機に際して、カシワラが手を差し伸べ、助けてくれたのだ。

どういう意図があったのか預かり知らぬところだ。


しかしリストラという濁流の中で手を差し伸べ、今もはなさないでいてくれる彼に報いなければならない。

「仕方ねぇ、やるか」

とは言ったもののアテがある訳でも無い。

メモ帳を開いてキーボードを叩いてみるもできるのはビジネスメールの文面だけだ。


そんなおっさんの目にとまったのは生成AIというヤツだった。


あー、知ってる。フェイク画像とか作ってくれるやつだろ?

娘がアニメのキャラっぽいのを作ってたわ、などという思考が駆け抜けていく。


「待てよ? 文章も作成できるんじゃ」


おっさんは閃くと同時にキーボードが軽やかな旋律を奏でる。


おっさん

「一緒に歌詞を考えてください」


AI

「もちろん、歌詞を一緒に考えましょう。どんなテーマや感情を表現したいですか?また、どんな音楽ジャンルがお好きですか?情報を教えていただければ、それに合わせた歌詞を作成できます」


「なるほど。こいつは使えるぜ」

しめしめとほくそ笑みながら与えられたテーマを打ち込んでゆく。


おっさん

「タイトルは『はなさないで』です。かなりぶっ飛んだバラードにしたいです」


AI

「「はなさないで」というタイトルで、ユニークなバラードの歌詞を考えてみましょう。以下に、その一部をご提案します。


はなさないで、月が瞬く夜に

星座たちが運命を紡ぐまで

君の影を、夢の中で追いかける


時を止める魔法の言葉、囁く風

遠い記憶の扉を叩く

永遠の旅人(トラベラー)、過去と未来を繋ぐ


はなさないで、幻の花が散るまで

この世界の果てまで、君を感じたい

君という奇跡が、僕の全てを変えた


終わりなき物語の中で、君と踊る

哀しみさえも美しい、この宇宙(そら)で

ずっと、ずっと、君だけを見つめる


この歌詞は、夢と現実の境界を曖昧にし、愛する人との切ない繋がりを幻想的に表現しています。さらにご要望があれば、お知らせください」


なんか違うな。

単純にはなさないで、だから恋とか愛の歌のほうが良いかと思ったがパッとしない。

もっとこう合いの手が入り、ズダバンババババンドドドドッみたいな激しいほうが良いか。


おっさん

「もっと激しく」


AI

「激しい感情を表現するために、以下のような歌詞を追加してみました。


燃えるような夜空の下で

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

君との約束、忘れはしない

星が降るような瞬間を

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

永遠に胸に、刻み込むよ


激しい想いが、時空を超えて

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

君へのメッセージ、届けにゆく

運命さえも変える力で

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

僕らの物語、新たなページへ


はなさないで、夢が覚めるその時まで

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

君という名の、奇跡を信じて

この宇宙の果てまで、君を追いかける

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

愛の歌が、時代を超えて響く


終わりなき旅の中で、君と歌う

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

哀しみさえも愛おしい、この星で

WowWow イエイイエイ (クラップ!クラップ!)

ずっと、ずっと、君だけを愛す

その手をはなさないでェェェェェェェ!!!


エレキギターのソロやドラムの激しいリズムが、歌詞に力強さを与えます。これで歌に激しさが増し、情熱的なバラードになるでしょう。他にもご要望があれば、お知らせください。🎸🥁」


「ほう。コイツはなかなか・・・・・・」

だんだん楽しくなってきたおっさんのリクエストは加速する。


・・・

・・・・・・


プレゼン当日。

おっさんに引き連れられた世紀末感が漂う身なりの若者たち。

それぞれが楽器を携え、会議室に入ってくるさまは役員たちをぎょっとさせるに十分だった。

「キシベ。この人たちは?」

さすがに不穏さを感じ取ったカシワラが恐る恐る尋ねる。

「カシワラさん! 今日のプレゼン成功したも同然です」

今日、この時のために駅前で唸り声を上げている手練れのアマチュア音楽家たちを集めてきたのだ。


唐突に演奏が始まり、それはあっけない終わりを告げた。

自信満々に歌いきった直後、難しい顔をしていた社長がにこやかに笑っていたのだ。


「えーと、キシベだったかな? 君、クビね」

状況が飲み込めないおっさんはカシワラの方を振り返る。

「今度はもう助けられないよ」

無慈悲な宣告におっさんは膝から崩れ落ちた。

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はなさないで♡そのぉぉぉぉ手ェェェェをぉぉぉWOWWOW タルタルソース柱島 @hashira_jima

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