『とりあえず』

小田舵木

『とりあえず』

 現在時刻4時43分。

 起床した私は飯を食い、エナドリを飲み、煙草を吸い…

 そしてカクヨムの巡回を済ませ、テキストエディタを起動した。

 別に。小説のネタがある訳でもない。エッセイのネタがある訳でもない。ついでに言えば時間もない。

 だが。『とりあえず』テキストエディタを起動したのだ。

 

 思い返せば。私の人生は『とりあえず』だらけだ。

 あまり思慮深い方ではないのかも知れない。

 人生の中で鳴るビート。そこに適当に『とりあえず』を打ち込んでいるのだ。

 

 とりあえず学校に行き。とりあえず引きこもりになり。とりあえず就職し。とりあえず離職して。とりあえずうつになって…

 『とりあえず』が介在しない行動はないかも知れない。

 

 『とりあえず』って言葉は便利だ。前後の文脈を無視できる。

 そして思いつきや気まぐれをぶちまけられる。

 とりあえず…ああ、また言ってる。

 私の口癖なのかも知れない。

 

 …私の未来も『とりあえず』どうにかなってくれないだろうか?

 私はそんな事をよく考える。

 お先真っ暗な人生。そこに思慮を介在させれば。死ぬしかなくなる。

 だから私は。考えもせずに行動する。

 そもそも。人間が思慮深いなんて嘘である。人間の脳の働きの本質は揺らぎだ。

 揺らいで―何かを思いつく。それを行動に移しているに他ならない。

 思慮なんて。後からの言い訳であり、行動の先にあるモノではない…と私は勝手に思っているが…どうなんでしょうねえ。

 

 閑話休題それはさておき

 私は昨日。とりあえず。久しぶりに履歴書と職務経歴書を更新した。

 近々ちかぢか長期の仕事の面接を受けるつもりだからだ。

 長期の仕事に就かなければ。親が悲鳴を上げているからである。

 それもこれも『とりあえず』の話だ。

 特に深い思慮をした訳ではない。

 

 人生はべて『とりあえず』。それが私の人生の基本なのかも知れない。

 少なくとも。私の文章は『とりあえず』だ。

 プロットを用意してモノを書いた経験は少ない。

 だから構成が甘いし、後から矛盾点が出てきたりする。

 

 …とりあえず。

 今朝、思いついた事を文章にしてみた。

 時間がないので、ここらで締めにしておくが。

 『とりあえず』行動するのも考えモノかも知れない。

 だって。このエッセイの文章の甘さよ。構成があればもっときちんとした文章になっていたのかも―知れない。

 

 だが。

 私はチキン野郎なので。

 『とりあえず』がなければ。行動を始めはしない。

 そういう意味合いでは。『とりあえず』って便利だ。

 これからも上手く付き合って行く他あるまい。

 

 さて。

 とりあえず。

 風呂に入って、仕事に行きますかね…

 

 

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