幼馴染のウザいギャルからチョコを貰うお話

ゆー。

幼馴染のウザいギャルからチョコを貰うお話

 今日はホワイトデー。顔の整った男子どもがチョコを持ってくる日だ。


 先月に続き甘い香りのする日に私は胃が煮えくり返るような気持ちでしかない。


 私はもちろんの如く男子に渡したりなんかしてないし、オタク友達たちともバレンタイン当日に交換してるから特にお返しを貰うとかそういうのはないんだけど。ま、あるとしたらあいつからぐらいかな?


 というわけで今日も今日とて一人でトボトボと帰ってます。


 今月は高校入試の時期ということもあってほとんど授業がなくて助かる。帰ったら買ったばっかのゲームするぞっ!


「み・ゆ・うちゃあ〜ん!」


 後ろから強めの衝撃で何か柔らかいものが追突してくる。


「あっ先輩!」


 その正体はユキ先輩。同じ部活の先輩でおっとり可愛い人気者の先輩だ。何よりも胸がとんでもなく大きくて一度だけ揉ませてもらったのだがとんでもなかった。なんというか弾力?重量?がすごくて……。


「ささ、一緒に帰りましょ〜」


「はい!」


 先輩はサラッと私の手を握って歩き出す。こ、これは恋人繋ぎというやつでは?!しかも胸が私の腕にすんごい当たってる!せ、積極的〜!!!!!


「せ、先輩もついに最高学年ですね!」


「そうなの!ホント早いよね〜」


 私は緊張を隠すために世間話をしながら駅に向かって歩いた。ついでに今度二人で遊ぶ約束もしました。イェイ











「みゅう!」


 最寄り駅について電車を降り、家に向かって帰ろうと歩きだすと聞き覚えのある大きな声に呼び止められる。


 振り返ると自転車のカゴに大きな紙袋を無理やり突っ込んだ幼馴染のギャルがいた。


 彼女は私とは正反対のギャルで大人っぽさと可愛さを兼ね備えた学年一の美女と呼ばれる存在だ。頭は残念なものだが、おしゃれだし、後輩からも慕われている。


 彼女とはたまに行き帰りで会って一緒に登下校したりとか、彼女が急に家に押しかけてきて漫画だけ読んで帰るとかそういう感じの関係性で特別、親友とかそういう関係ではない。普通の幼馴染。


「一緒に帰るって言ったじゃ〜ん!」


「え?そうだっけ」


「朝言った!」


 彼女は怒った様子で自転車を押してこちらに走ってくる。


「ごめん、忘れてた」


 私は彼女に対して素直に謝るが、彼女は相変わらず拗ねた様子だ。


 彼女の肩から一つ紙袋を受け取って彼女を引き連れるように歩き出す。そして、当たり前のように私の家へと向かっていく。


「てか、その紙袋そんな入れ方でいいの?」


「別に〜男からのチョコなんてどうでもいいし〜」


「なら何であげたんだよ…」


「お菓子代が霞むじゃん?」


 この女…小悪魔だな!!!!!!






 家についた私は彼女にベッドに押し倒され、寝かされている。彼女は私の着ていた上着を剥いで、カーディガンの中に頭を突っ込んだまま拗ねているようだ。お腹にかかる息が熱くて居心地悪いんだけど……。


「ねぇ…重いんだけど」


 そう言っても彼女は何も反応しないどころか、私を抱く腕の力が強まった気さえする。


「……みゅうが約束破ったんだもん」


 彼女は幼い子どものように拗ねた口ぶりでそうつぶやく。


「約束?さっき謝ったじゃん」


「そっちもそうだけど!ホワイトデーは毎年一緒だったじゃん!」


「あぁ…」


 確かに彼女と私は毎年バレンタインデーとホワイトデーは一緒に過ごしている。


 私がバレンタインにチョコを渡して彼女がホワイトデーにチョコを…というのが毎年の恒例。


 まぁ今年はちょっと面倒くさかったからあげなくてもいいかなって思ったんだけど、渡さなかったら渡さなかったで面倒くさいことになってしまった。結局手作りを送る羽目になったしね…。


 ま、詳しくはこちら→(「幼馴染のウザいギャルにチョコを渡さなかったお話」https://kakuyomu.jp/works/16818023213553194524)って感じなんだけど、本当に大変な目にあったよ。


「それに…他の女と帰ってた」


「他の女って…ユキ先輩でしょ?」


 ユキ先輩を女呼ばわりなんて…先輩のファンにバレたらヤバいことになるよ?


「てか、見てたんなら声かけてくれればよかったのに」


「だって…みゅうが楽しそうだったから…」


 彼女は尻すぼみになりながらも私のお腹に顔を擦り付けてくる。くすぐったいんだけどなぁ……。


「それより、今年も用意してくれたんでしょ?」


「あっそうだった!」


 そういうと彼女は勢いよく飛び上がり、私の上から退いて彼女の荷物が置いてある方へのそのそと歩いていく。バレンタインの時ほどではないが大きめの紙袋二つが置いてある。


「今年も大量だね…」


「へへん、でしょー!」


 彼女はギャルであり、陽キャなのでバレンタインのときもクラス内外に義理チョコを渡しまくっていた。今年もそのお返しが大量のようだ。


「はい!どーぞっ」


 彼女は二つある内の片方の紙袋を私に差し出す。その紙袋は帰りに私が持ってあげたほうで、相変わらず大きい。


「この中のどれが私の?」


「え?これ全部だよ?」


 私は思わず頭に?が浮かぶ。これ全部?多くない?あのカゴに突っ込んでた紙袋と同じぐらいあるんだけど。


「えへへっみゅうの事考えてたら作りすぎちゃった!」


 彼女は笑っているが正直笑えない。多すぎる。一ヶ月でようやく食べ切れる量かもしれない。


 中をちらっと見るとチョコであったり、クッキーだったり、チョコブラウニーやカヌレなどの焼き菓子まで種類が豊富だ。あいつってこんなにお菓子作り出来たっけ…?


「えっと…これお母さんにもわけていい?」


「え?ダメだよ?あーしからの気持ちなんだからみゅうが責任持って全部食べて♡あ、みゅうママの分はこっちにあるから」


 そういって彼女はリュックから小さな箱を取り出す。私もそっちぐらいが良かったんだけど…。お、重いなぁ……。


「みゅ、みゅう?こっち向いて」


 彼女はクイクイと絶句する私のカーディガンを引っ張ってくる。その方向を向くと彼女はシャツをはだけさせ、半裸になっていた。彼女の胸とピンク色の可愛らしいフリフリなブラが見えている。


「な、何してんの?」


 私は正直ドン引きしていた。彼女の胸はユキ先輩ほどではないが、普通よりは大きい。私みたいな貧乳にとっては羨ましいかぎりだ。


「バレンタインはさ、みゅうを頂いちゃったから…そ、その…お返し?」


 彼女はポッと顔を赤くさせて私にその豊満な胸を押し当ててくる。や、柔らか…じゃなくて何やってんだこいつ!


「あ!こうしたほうが……いいかな?」


 彼女は何を思ったのか紙袋からチョコを一つ取り出し、自身の胸に挟んだ。


 彼女は私にこのチョコを食べろと言わんばかりに胸を私の顔に押し付けてくる。はしたない!!!!!!!


ブーッ


 絶体絶命のピンチに陥った私のポケットからバイブ音。誰かからメッセージが着たようだ。


「あっ通知着たから!」


 私は彼女を押しのけるようにしてスマホを開く。


 いつもの公式からの通知かと思ったが、相手はユキ先輩だった。内容は『次の休みにデート行こ〜♡』というものだった。


「またあの女?」


 了承のメッセージを送ろうとしていると背後からとんでもなく冷たい声が聞こえてくる。振り向くと相変わらず半裸の彼女が光のない目でこちらのスマホを見ていた。


 彼女はヌッと近づいて私の手から絡め取るようにスマホを奪い取り、そのスマホに勝手に文字を打ち始める。


「ふふっ断っちゃった♡」


 彼女は勝ち誇った表情でメッセージ画面を見せてくる。その画面には私が断る文言を送った様子が写っている。


「はぁ?…何勝手に…」


 これは流石にダメなことだ。しっかりと叱っておかないと!そう思い、彼女に向かって説教しようと思って彼女に向き直ると、正面から押されてベッドの上に押し倒される。


「ダメ。みゅうはあーしのなんだから、他の女とデートなんて行っちゃダメ」


「私のって…てか、な、何で脱いでn」


「ほら、食べて?」


 私は彼女の胸を顔に押し当てられ、彼女の◯◯◯を無理やり口に含まされてしまった………。




 あ、それはそれとしてもちろんの如く私もたっぷりといただかれました。

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幼馴染のウザいギャルからチョコを貰うお話 ゆー。 @yu-maru

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