鳥人の吟遊詩人が立ち寄った街での権力争いの中で、一計を案じ……と言う短編です。この作品はストーリーの完成度も圧巻の1言ですが、何より暖かい心が胸に突き刺さってきます。街を、人を想い愛おしいと感じている心。そして、理不尽な目に遭いながらも恨むこと無く人を愛する吟遊詩人。心震えて溜息が漏れる素晴らしい短編でした。ぜひ興味を持たれた方がいらしたら、素晴らしい一時をこの作品でお過ごし下さい。
工業都市ゼブルースカで激しくなる対立。その状況に胸を痛める少年と、その少年を助けようとする鳥人の女性の物語。彼女もまた、心に深い傷を抱えています。彼女の優しさは、儚い望みと分かっていても愛しい人との再会を望み、再会が叶った時、恥じない自分であろうという哀しい決意にも思えました。その結末は、是非読んでみて、ご自身で確認いただければと思います。
短いながら、しっとりとした雰囲気のよい幻想の世界。そんな世界でも争いは起こり、争いを憂う少年のために、旅をする主人公は歌と知恵とで人びとの心を動かし、奇跡を起こす。その果てに明かされた彼女の秘密とは……。最後まで読まれたら、また冒頭までもどって、じっくりと歌詞を読んでみてください……。