RDB-CR “þyrnumeyjar”
たかぱし かげる
þyrnumeyjar -ささくれの乙女-
この “þyrnumeyjar” と言う呼び名は古くは9世紀の書物にも見られるもので、訳すならば『ささくれの乙女』となるであろうか。
北欧の森に棲む美しい幻種である。
長くその実態は謎に包まれてきた。かつては
それ以来、
小さなささくれは時をかけて育ち、あたかも幹に彫刻が施されるかのように徐々にその姿を現す。まず顔と頭が形作られ、首、肩、腕、そして胸へと下がっていく。始めは荒々しく削り出された姿かたちは、時と共に造型が精緻になっていき、髪はおろか、睫毛の一本までもが再現されていく。そうして出来上がった滑らかで柔らかな肢体は、木であったとは到底思われないほどだという。その様は樹上の芸術と評されている。
幸運にも
無事に成長し、木から離れた
忌まわしいことに美しい
愚かな人間は
※写真は大英博物館所蔵の
RDB-CR “þyrnumeyjar” たかぱし かげる @takapashied
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