地中AAAAAAAAAA
鳥ノスダチ
第一章
プロローグ
時速160キロで高速走行道路を走る橙色の自動走行車。
車内で騒ぐ仲間たちを鬱陶しく思いながら私は都市の方を見た。
ネオナラ……数十年前まで日本の奈良県だった場所。できた当初に公募で名前を決めたらしいけど、清々しいほどダサい名前。
度重なる大災害で壊滅した世界は、唯一ライフラインが崩壊しなかった都市に人口が密集していた。被害が少なかったネオナラもその一つ。
雲を突き抜けた高層ビルが建ち並び、如何にも皆が思い浮かべていた未来の大都市のようだった。人口が高まればその分技術力も上がるわけで、日本の人口がこの小さい都市に集まったことによって、どの建物も縦に伸びているのだ。
今、走っているこの高速走行道路もネオナラが生んだ技術力によって作られたもので、ちょうど都市を囲うように伸びている。
都市部を離れれば広大な平原が続いている。そこでは農業が盛んにおこなわれ必死に人口分の食料を作っていた。
実を言うと人口の八割ほどが都市部の周りに住んでいる。都市部で住めるのは一部の上流階級の人達だけだ。
世界崩壊後の人類の安全圏。
終わりのゆりかご。
日本再建復興大都市?誰だこのキャッチコピーを考えたのは……。
一見、良い側面しかないように見えるだろう。
だが、私達は一つの事実にたどり着いていた。
奈良県が世界崩壊を招いた。
突拍子もないと笑ってもいい…だが本当の情報だ。
奈良県の地下に世界を揺るがすほどの財宝が眠っていて、その財宝を守るために大災害を起こしたようだ。
すべてネオナラが悪いのだ!なのにネオナラは称賛の中に居る。
私はこのネオナラが世界を支配している現状を変えるためにここまでやってきた。
今この情報を知っているのは我々だけだ。
我々しかいないのだ!やるしかないだろう……。
すまない我妻よ、すまない我が娘よ。
革命に取りつかれた私を忘れないでくれ。
私が物思いに浸っている間に時速200キロに到達した自動走行車はネオナラに着いていた。
さぁ始めよう、超革命の時だ。
私が最後に思い出したのは娘の笑顔だった………。
地中AAAAAAAAAA 鳥ノスダチ @hitujinosige
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