ガルくんとふしぎなはこ3

 そんな日が5日つづきました。


 じめんにすわっておそらをみつめていると、まっくろいなにかが見えました。


 みるみるうちに、大きくなります。

 それは、ガルくんのなげたはこでした。


 ばきばきばき!


 じめんにぶつかり、はこに大きなヒビが入ります。


「やったあ!」


 ヒビの中に手をいれて、中をひらきます。


 そこには、くろいはねがはえた、あくまが入っていました。目をとじて、ねているようです。

「わわっ、あくまだ!」

 手をひっこぬき、にげようとして、やめました。


 みためだけできめちゃ、よくないよね。


 ガルくんは、あくまを手のひらにのせると、おふろでからだをあらいました。


 ガルくんがからだをあらっていると……。


 ぱちっ!


 あくまは目をひらきます。


「はこから出てるぞ!」


 そして、ガルくんと目があいます。

「きみがだしてくれたの?」

「うん」

 あくまはじーっと、ガルくんをみつめます。


 もしかして、こわがられちゃうかな?

 ほかのどうぶつたちのことをおもいだして、ガルくんはしんぱいになります。


「きみ、ちからもつよいし、かっこいいね! しかも、やさしいときた」

「えっ?」

 あくまは、ガルくんに手をのばします。


「おともだちになってよ!」


 びっくりしたガルくんですが、すぐえがおになります。


「よろこんで!」



 もうガルくんは、ひとりでいることはありません。


 いつでも、小さなおともだちといっしょです。

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ガルくんとふしぎなはこ 獅子倉八鹿 @yashika-shishikura

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