🐹3章 過去から未来へと繋がる1つの想い。そして、少しずつ明かされる運命の真実。
第32話 親子水入らずのサイクリング
校舎内から下校を促す放送が流れ始めて数時間。周囲には殆ど生徒もおらず、駐輪場にいたのは
「――ったく。相変わらず、返事だけはいいんだよな」
「何か言った?」
「いや、なんでもねーよ。それより、跳ねるからしっかり捕まっとけよ!」
「OK、運転手さん」
「ちゅぅ? 父さん顔が真っ赤ですが、どうかしたんですか?」
「うっ、うるせぇー! お前も危ねーから、ポケットに入ってろ!」
「なに? どうしたの?」
「あっ、いや。今のは
耳元で囁く
「ハムちゃん。これからオジサンはね、運転しないといけないの。だから邪魔しちゃダメよ、こっちにいらっしゃい」
「ちゅぅー、ちゅぅー」
「あら? 一回言っただけで理解するなんて、ハムちゃんは賢いわね。オジサンと違ってお利口さん。まるで私の言葉が分かってるみたいね」
「みたいね、じゃなく。本当は、分かってんだけどな……。ていうか、俺はオジサンじゃねーつってんだろ」
ハムスターに姿を変えている
「さっきから、なにボソボソ言ってるの?」
「いや、何でもねーよ。それよりも……運転しづらいから、あんまり抱き着くなよ」
「なんでよ、
「まあ……そうなんだが……」
「だったら、別にいいじゃない」
「いや、でも……
「動くと、なに?」
「だっ、だから……あまり動くと、あぶねーって言ってんだよ! ――とにかく、いくぞ!」
――こうして夕日に照らされる田んぼ道を、一台の自転車がゆっくりと走る。そこには仲良く相乗りする二人の姿があった……。そんな最中、ふと何かを思いだす
「ねえ、
「どうした?」
「その……今日はありがとね」
「なんだよ、急に改まって」
「だって……迷惑をかけたから、ありがとうって言いたくて」
「迷惑なら俺の方が毎日かけてるだろ。そんなのお互いさまだ! だから気にすんなって。それよか、今日の天気予報って晴って言ってたよな?」
「天気予報? 確か……朝のテレビでは、そう言ってたはずだけど。それがどうかしたの?」
「いや、なんか……一雨きそうな空模様じゃねーか?」
「うわっ、最悪。いきなり降り出してきやがった!」
「えっ、嘘でしょ? 私、傘持ってきてないのに……」
「俺もだ。くそっ、天気予報じゃ晴れって言ってたのによ」
「どうするの、
「いや、この距離なら家まで10分もかからないだろう。だから、このまま突っ切るぞ!」
「でも……ずぶ濡れになっちゃうわよ?」
「まあ、その時はその時だ。とりあえず、今は家まで帰るのが先決だ!」
「それもそうね……」
従って、家に着くや否や、身を震わせ玄関先に降り立つ二人。前カゴから鞄を取り出す
これにより、一瞬にして青ざめる表情。そう……探し物というのは、部屋に入るための鍵であった…………。
🌷わたしが導く幸せな結婚~生と死の境界の中で……🌷 🍀みゆき🍀 @--miyuki--
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