転生した先は、全く知らない乙女ゲームの世界だった。

大星小雨

第1話 新たな世界に転生

 俺は、交通事故で亡くなった。


高校二年生のある日のこと。学校が終わり、両耳にイヤホンを付けて音楽を聴きながら一人で下校した。高校二年生ということもあり、まだ部活動がある。陸上部に所属している黒川は、前の大会で足を怪我をしてしまい、しばらくの間休むことになっている。周りの友人たちは、部活動に行っており、しばらくは、一人で帰ることになる。


黒川恒星は、アニメやゲームが大好き高校二年生。

中学生の頃は、まともに友達も出来なかったが、高校では、学校行事を通してたくさんの人と連絡先を交換して、週末には一緒に遊び、学校帰りは一緒にご飯を食べに行ったりなど高校生活は、とても充実している。


そんな楽しい日々は、終わったのだった……


信号が青になるまで待っていた。しかし、太陽の光によって信号を間違えて歩いてしまった。それを知らず歩き続けるとトラックがこちらに向かって来るのだった。


そして……俺は、死んだ。


どうやら赤信号か青信号のどちらの色になっているかが太陽のせいで識別が出来なかった原因でトラックに轢かれたようだ。


……


「……ん」

黒川恒星は、目を覚ました


「目を覚ましてる?!てことは俺は、今、病院にい…」


「今、病院にいる」と言いたがった黒川だが、体を起こすと

周りには、町が一斉見えない平原だった。


「俺は、病院で眠ってなかったのか…」

「どこだ…ここは」


しばらく考えた結果…


……「全く分からん…けど現代には、こんな場所はないはずだ。」

「だとしたら…異世界…」

…「ん?異世界?」


(…単純に考えてみろ。俺は、交通事故に遭って亡くなったはず。ゲームとかでよくある不良の事故で亡くなり、目が覚めると新たな世界に転生したパターン?)


…「つまり…ここは…本物の異世界転生!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「…まぁ…まだ異世界転生だとは断言してはいけないな。」

「とりあえず道を歩いて町があるところまで行こう。そうすればどんな世界なのかが少しでも分かるはずだ。まずは情報収集。」


情報収集でこの世界のことを知るために町が見えるまで歩き続けた。

歩いている最中は、周りがとても静かで空には、鳥が飛んでいる。

歩き続けてから約1時間が経過した。未だに町が見えない。


「全く町が見えない…体力的には、まだ大丈夫だけど日が暮れてしまうな。少し怖いけど森から出たら町が見えるかも知れないから道を変更しょう。」


森を通り抜ければ町が見えてくるかもしれないと考えて森の方に進んでいく。

森には、何かいるかもしれないと思い、極力足音を立てずに歩き続けることにした。


しばらく歩き続けて…


「全然森から出ないな。流石に数時間歩いてるから引き返すことは多分無理そうだな。」


引き返すことが出来ないほど歩き続けたが、未だに森から出れていない。

しかし、しばらく歩いて草むらから音がする。


「え?…なんだこの音…?」


音に気づき、一時的に足が止まった。

徐々に音が大きくなってきている。こちらに近づいている。


日は暮れていないため、周りがしっかり見える状況ではあるが、仮に恐ろしい魔物が出てきてしまったら終わりだ。


「俺は、何も使えないからライオン、トラが出てきた時点で俺は、終わりだ。隠れる場所もない…ある程度逃げる道はあるから一か八かで賭けるしかない。」


すると…草むらからゴブリンの群れが出て来て目が合った。


…「え?ゴブリン?…」


ゴブリンの群れは、黒川を襲う。


「ゴ、ゴ、ゴ、ゴブリン?!!!!!!!!!!!!!!!」

黒川は、手ぶらで何も使えないため逃げるという手段しかなかった。

全力で走るも後ろには、ゴブリンの群れが追いかけてきていた。


「あ―!!!!!!!!!!!!ゴブリンだ!!!!!!!!!!!」

陸上部で鍛えた足で全力で逃げる。しかし、案外ゴブリンは、速かった。


「いやゴブリン速くね?」

「まずい!!!!まずい!!!!!まずい!!!!!!。また死んじゃうよ!!!!!!!!!」

(一直線だと振り切れない。どうする…鬼ごっこのように視界から外れて見失わせる作戦しかないか‥それしかないか)


黒川は、ゴブリンに視界を外させるため、ひたすら道を曲がりまくった。するとゴブリンの群れは、ターゲットを見失い、どこかへ去っていくのだった。


「危なかった…下手せば死んでいたな。また死ぬなんて懲り懲りだ。」


…「ちょっと待てよ…今、ゴブリンが追いかけてきたよな?」

「確実に逃げることに必死すぎていたが、追いかけてきたのってゴブリンだった。」

「てことは、この時点で俺は、ある異世界に転生したことになる。」


……(え!!マジか。俺、本当に異世界に転生したのか。ゲームでもよく見るあの転生だよね…。夢じゃないよね?現実だよね?)


頬をつねるが、痛かった。夢ではなかった。

異世界転生に興奮していた、黒川だが、切り替えて再び歩き続けた。


ついに森を出ることに成功。そしてなんと一直線には、たくさんの建物があり、町らしき場所が見えた。町は見えるが少し距離はあるため、まだ歩かなければいけない


ついに…町の入り口まで来た。

町の入り口は、門番がいないため入ることが出来た。



ゴブリンにやられそうでは、あったが、無事、死ぬことなく町までたどり着いた。

異世界転生をしたものの、どんな世界かはほとんど知らない。



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転生した先は、全く知らない乙女ゲームの世界だった。 大星小雨 @murakami_d

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