第3話 義父は義母寄り
電話越しで義母は叫んでいたそうだ。
「今まで、こんなに怒られた事はない」と
ヒステリーを起こしているようだったと。
このことは、妻に聞いた。
それはそうだろう、義母が土下座をしに家に上がりこんできた日、私の怒りは頂点をこえ、
なんとか理性は保ちながらも、義母の謝罪を一切受け付けず跳ね返したのだから。
「私は恥を忍んで謝りにいったのに」
なども電話越しに叫んでいたそうだ。
私は思っている。
そんな言葉が出るということは
謝罪の気持ちなど一切なかったって事だと。
虚しく、悲しくなる。
そして、死にたくなる。
義母はただ、孫に会いたいが為に
口先だけの謝罪、パフォーマンスの土下座という、最上級に鈍器で私を壊しに来たのだから。
あの日の最後、私は、「あなたが本当に謝りたいと思った時に、もう一度来てください。」と伝えて帰ってもらったのだ。
家族とは何なのか
信頼しあっての家族ではないのか。
義母の土下座事件の日から3日後
ポストに付箋のメモが入っていた。
・こちらの家にある荷物整理してくれ
・互いの家の鍵を返しあおう
筆跡は義父だった。
言葉の鈍器でまたも私の心は砕かれていく。
付箋をみた私は妻に電話して、内容を共有した。その後、妻は義父(妻の父)に電話をした。
義母のヒストリー声はこの時に妻が聞いたのである。
電話を終えた妻に私は
恐る恐る聞いた
義父は、この件に関してどっち寄りなんだ?と。
「義母、義祖母寄りかな」と。
また今日も、ため息も何も出ない日々が続いていく。
義父までも、私を信じていないのだ。
無実の罪 @calumniation
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