第2話情報過多
「世界の危機とはどう言ったもので?」
「あ、それは私が答えますよー」
ユズノハさんが片手をあげて自信満々に話し始めます。
「えっとね、まずこの世界には女神様が2人存在していて、1人ははるか昔からこの世界を守護している神様、もう1人は全ての世界を司る大神様の目を盗んでこの世界に来た神様。」
「あ、もうなんか後半の神様がやらかしたのは分かりました。」
なんですか大神の目を盗んでこの世界に来たって、厄ネタどこの話じゃないじゃないですか。
というか大神は大神で何してるんですか。
「新しく来た神様的に昔から居た神様が気に食わないそうで、何度かこの世界を自身のものにしようとしましたが叶わず、自身のものにならないならば…」
「破壊しようと?子供ですか?」
規模のでかいガキですねぇ……これ私が言ったらお前もガキだろって突っ込まれますね、精神的にはもう数えるのも億劫なんですけど。
「で、昔から居た神様は何度も行われようとした破壊を防ぎ続けましたが、まぁ力を消耗してしまいこれ以上は耐えられなさそうなので急遽、私達異世界人の力を借りることにした。というのがシナリオです。」
……異世界人の力を借りたとて、初めから強い訳ではなくユズノハさんレベル、それは大丈夫なんですかね?
「私達召喚者は死んでも生き返りますし、Lvが上がればそれだけ強くなりますし!」
れべる?
思わず門番さんの方を向きましたが、門番さんも首を傾げていました。
「れべるとは何ですか?」
「それは俺も気になるな」
「Lvとは魔物を倒したり生産をしたりと、様々なことをすることで自然に上がる数値ですね!私はまだ2ですけど!」
なんかものすごいこと聞いてしまったんですけど。
門番さんなんか見てくださいよ、口開きっぱなしな上顔青ざめてますよ。
これ召喚者を使った戦争とか起こりそうですよね、武力面で優秀すぎる駒ですよ。
なんなら私魔力量以外すぐ追いつかれそうなんですけど…
「あとはそうですね、女神様がスキルや称号といったものを得られるようにしてくれたとか、いやぁ私も先程『豪運』を貰いました!」
「すきるですか、それに称号……ユズノハさん、周りに被害のないスキルってありますか?」
「ごめんなさい、スキルは持ってないです…あ!でも称号の豪運の効果を教えましょうか?」
称号にも何かしらの効果が…?
「豪運はLukの補正、並びに自分にとっていい事が起きる可能性が上昇する、です!」
まっずいのでは!?
見てください門番さん顔面蒼白通り越して魂抜けたような色してますよ!
ユズノハさんの豪運ですが、自分にとっていい事というのは取得した人によってはほんとにまずいことになります。
例を挙げるならば凶悪な犯罪者です、えぇお察しの通り
それをユズノハさんは満面の笑みで説明してくれやがりました、早期的に知れたのは良い事ですが…
「…門番さん、これどうしましょうか」
「陛下に早急に知らせるべき案件だ、すまねぇが少しだけ門番の代わりを頼めねぇか?仲間に陛下の所へ行ってもらわねぇと。」
「宿3日分でどうでしょうか?」
「ほらよ、それじゃ行ってくる。」
「あ、あれぇ…?」
門番さんに銅貨60枚渡されました。
とりあえず今日の宿代は確保出来ました、理由が最悪よりの理由ですが
「クエスト…ふむふむ、こういったものまで…」
「……」
ユズノハさんがまたなんか呟いてるし……
「門番と言っても、特に何かある訳じゃないですし気楽にやりましょう」
「うーん…どうだろうね…」
え、ユズノハさん何故そこで否定を…?
「ヒヒヒ……そこを通してくれるよなぁ?」
「ほら来た」
「うわぁ…」
直後、見るからに禍々しい何かを背負い、血にまみれた服を着た男が現れました。
えぇ…なんでこのタイミングで来ますかね
「通さないというなら…」
背中に背負った禍々しい何かもとい怨嗟にまみれた血塗れた斧を取り出しました。
アレ、呪われてますね、かなりアレで人を殺してると見ていいでしょう。
「そんな見るからに怪しい格好で、通すわけないでしょ!はぁ!」
ユズノハさんが先手必勝とばかりに取り押さえに行きますが、そういえばあの人武器なかったような…あっ
「そうだった!?武器なかった!?」
「隙あり!」
「はぁ、プロテクト」
ガキィン!と私の出した障壁に斧がぶつかり甲高い音を立てました。
「硬い!?」
「また助けられちゃいました…」
「礼は後でいいですから、ほら下がってください。」
「ごめんねぇ~」
ユズノハさんを下がらせて血濡れ男と対峙します。
うーむ、この人自体は別になんともないのだけど、あの斧がなぁ…勿体ないなぁ
浄化したらそれはそれで結構使える斧になりそうだけど………やりますか!
「視線誘導、ホーリーレイ」
視線誘導はその名前のまま、私の視線で魔法を曲げたりすることが出来るなかなかに使い勝手の良い魔法ですね、ホーリーレイは浄化効果のあるビームです、ビームですよビーム。
あ、ちなみに殺傷能力はかなりあります、当たったらその部分が溶けるぐらい。
まぁつまりどうなるかと言うと…
「へっ?あ、ぎっぎゃぁぁぁあ!?熱い!?俺の足ぃぃ!?」
血濡れ男の左足を貫通したホーリーレイを視線誘導で斧にぶつけます、すると呪いはきれいさっぱり取れてなかなかに上質な聖気の込められた武器になりました。
血濡れの男は転げ回ってますが無視です、無視
「えーと、やっぱりかなり使い勝手のいい斧になりましたね」
「ああぁ!?足が、足がぁ!?」
軽く調べたところ、アンデット系に特攻及び即死効果、重量を自由に変えられる効果があるみたいです。
「あ、アリゼさん…?あの人ものすごい痛がってますけど……」
「ん?あ、そうですね、はい」
「ひィィ!?た、たすぐぺ」
男から奪った斧で頭を叩き潰しました。
おかげで静かになりましたね、良かった良かった。
「えぇ……あ、Lv5も上がった…」
とりあえずこの斧はポーチに閉まってしまいましょう、いつか使う時が来るでしょう。
私、近接戦闘はできないって言いましたがある程度はできます。だって魔法が一切効かない敵とか居ますし…
耐性の問題かと思い上級魔法を3時間ほど打ち込み続けましたが無傷でしたので、絶対に効かない敵は存在します。
なのである程度は出来ないと死んでしまいます、杖だってそのために有るんですし…
魔法には使いませんよ?この杖の効果って打撃強化、振動強化、伸縮自在、重量変化しかないですし…
見た目こそ魔法の杖っぽいですけどね、なんか杖の先端に幾何学的な模様の入った鉱石がついてますし…
魔法の杖もあるにはありますけど、飛行用のものしかないです…
理由はあるんですけどね、私の生まれた時から持ってる性質が関係してるんですよ。
破壊した装備類の効果を1部自身のものにできるとかいうふざけた性質が。
これのおかげで生まれた時から魔法系の武具は全て破壊するように教わり4歳の頃には目に入っただけで破壊してました。
今となっては制御は出来ますが…あの時はほんとに酷かったですね、何せ知らない人の装備まで破壊するんですから。
ただのクソ迷惑な奴ですね、よく殺されなかったな私。
それもあって私、魔法強化や魔法制御、魔法発動短縮といった効果が、それこそ山のように積み重なってるようなもんなんですよね…ちりつもちりつも
「とりあえずこの人燃やしときましょうか、ファイア」
「あまりにも手馴れている…」
そりゃそうです、こちとら魔法集め趣味な魔法キチガイ魔女って言われるレベルの人だぞ、キチガイ魔女って言った瞬間に殺です、殺。
その度に燃やしてたら、ねぇ?
ピコン!
んぇ?
「『称号…死体処理魔女を獲得しました』……は?」
女神ぃ!?
タイトル忘れてました
By作者
異世界ロリ魔女さん @chiyo0108
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