異世界ロリ魔女さん
@chiyo0108
第1話何だこのやべー世界…
飽きました。
この世界の魔法に飽きました。
私、アリゼは魔法の才能に恵まれ、幼少期に全ての属性の上級魔法を使えるぐらいにはなっていました。
おかげで周りからの期待やらなんやらがウザったい時しかありませんでしたが、なにかされる前に魔法で黙らせれていたので良しとします。
あぁでも、8歳の頃にうっかり自身に不老化の魔法を使ってしまった時は3年ぐらいネチネチと小言を言われましたね、子どもが作れない体で固定化されるので。
私的には別になんの問題もなかったんですけど、私が生まれた国的には面白くなかったんでしょう。
今の年齢…?さぁ…?
そんな私ですがついこの間、この世界の魔法あらかた全て使えるようになってしまったんですよね。
私自身魔法がかなり好きなのでそれはもうことある事に使うんですけど、私の趣味が新たな魔法の会得なので。
冒頭でも言った通り飽きたんです、魔法は好きですよ?ただこのままだと一生代わり映えのない人生を送ることになるっていう地獄になるだけ
で。
不老化のせいで寿命がなくなり体に風穴があくとか、そういう次元のダメージじゃないと死ななくなってしまったので。
まぁつまり何が言いたいかと言うと、私、この世界とおさらばしようかなぁと。
死ぬわけじゃないですよ?お出かけみたいなものです。
ちょっと異世界に行ってくるだけなので。
あ、ちなみにこれも魔法で行くのですが、分類上この魔法は禁忌の部類に入ります。
誰もこんな魔法知らないんで私的には知ったこっちゃないんですけど、上位的存在…神が干渉してくる可能性は大いにあります。その時はその時ですけど。
さぁ早速やりますか、準備は万端なので。
ま、準備と言っても私特製魔法のポーチに片っ端から魔道具やら生活用品やら食料やらを詰め込んだだけなんですけどね。
「うわ、この魔法私の魔力でギリ足りるレベルじゃないですか。」
私でギリって相当ですよ?
前に測った時は軽く国1つ分の国民全員合わせたぐらいはあったので。
はー、こんなの誰もできないじゃないですか、終わってますね。
まぁ発動できそうなので良しとしましょうか。
私は自身の両手を目の前に掲げ、両目を瞑ります
「魔力制御…良好、魔法陣構築…成功、今のところの神からの干渉…なし、行けそうですね?」
チラリと目を開けてみれば、そこには3mぐらいの魔法陣が出来上がってました。
でっか、上級魔法でも10cmぐらいなのに。
それに淡く発光してますね、無駄に神々しい。
とりあえずここまで出来ればあとは勝手に魔法は発動されます、ほら
魔法陣から白い扉が現れ始めました。
ぬぬぬって出てきましたよ、ぬぬぬって
土からでて来る最中のワームみたいですね。
「うわ眩しい」
扉が設置されると待ってましたと言わんばかりに開き始め、中から目の前でいきなりフラッシュという、目くらましの魔法を食らったぐらいの光が私を襲いました。
なんでこんなに凝ってるような見た目を……禁忌に入る癖に
そして完全に扉が開き終わると役目は果たしたとでも言うのか、光は収まりました。
「ーーーい!何の光だ!?」
「ーーの方だ!」
あ、あまりの光量だったから、異常事態だと思った兵士がきそう。
あんまりバレたくないし……とっとと入ってしまおうか、とうっ
私が扉に入るとごごごと音を立てながら扉は閉まり、まるでそこには何も無かったかのように消え失せた。
多分
扉に入った先は……森、ですかね?
ふと後ろを見ると扉は無いようですし、しっかり別世界に入れたと思った方が良さそうです。
私はポーチから魔力回復薬を取り出して一気飲みをします、何せあの魔法のおかげで魔力がすっからかんですからね。
あくまで私は魔法使い、魔女と言った方がいいかな?
魔女ですから、物理的な攻撃は得意じゃない上防御面も優秀な訳では無いんです。
「だからといって子供舌にクソマズ魔力回復薬は汚物以外の何者でもありませんが、うぇ…」
魔力回復薬は魔力草と呼ばれるものをすり潰して作られます
草は草だから、んなもんねぇ…?
「ペッペ…とりあえず魔力は回復しましたし、索敵を…ん?」
魔力を薄く広く放出して周囲の索敵をすると、何か早くも遅くもない速度でふたつの生命が追いかけっこしてますね。
追われてそうですね?
レッツ脳内会議、議題は助けるか助けないかです。
私1「とりあえず何かは知りませんが助けに行きましょう。」
私2「まぁ待て私1よ、どっちも魔物かもしれないだろう?」
私3「ですが索敵した感じ1つは人間っぽいですけど。」
私1「助けたら情報聞き出せませんかね?」
私2「そう上手くいくものなんですかねぇ…?」
私4「まーまー、上手くいかなくても消し飛ばせばいいんだしー」
私1.2.3「それもそっか!」
結論
助ける、けど何かあったら消し飛ばす
行ってみよー
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side???
「ひぃ…ひぃ…」
「グギャ!」
「背中掠めたぁ!?」
突然ですが助けてください。
絶賛私は初エンカウントした魔物、ゴブリンに殺されそうになってます。
グラフィックがかなりリアルに作られてる分めっちゃくちゃ怖いです!
なんですかあの凶悪な顔!絶対3人ぐらい殺してるよ!?
なんでこんな事にぃ〜、チュートリアルの何倍も辛い!
チュートリアルで戦った兎さんは!?何処へ!?
初期配布のナイフはどっか行っちゃうし、回復ポーションも底を尽きたし、このまま死ぬのは嫌だ!
誰か助けてください〜!
心の中で叫んだその時、急に真横に体が引っ張られ体に何かが巻きついた状態になった
…???
なんかの罠に引っかかった!?
「いいですよ、助けてあげます。」
「え」
唐突に可愛らしい、幼い声が聞こえバッ!とそちらを向くと小学生ぐらいの女の子が背中に見るからにヤバそうな杖を持って無表情で立っていた。
え、なんでこんなところに幼女?
「グギャ!?グギャギャ!」
ゴブリンは新しい獲物が来た!と女の子の方に襲いかかっていく!
「あ、危ない!」
「グキャ!」
ニタァとゴブリンが不気味な笑顔で勝利を確信し女の子に剣を振り下ろそうとしたところで私はギュッ目をつぶっしまう。
「プロテクト、からのフォイアボール」
「グギャァ!?」
…が、聞こえてきたのはゴブリンの悲鳴
恐る恐る目を開けると、女の子の周りにバリアのようなものが出来ており、ゴブリンは炎に包まれ転げ回っていた。
「手加減に手加減を加えましたが、もう少し威力をあげないと消し炭にはなりませんね。」
なんか怖いこと言ってるあの幼女
しかも燃え盛るゴブリンを杖でつつきながら
「見た目はだいたい同じ…いや少し背が低いし丸みがありますね、これなら…あっ」
くるりと女の子は未だに何かに巻き付かれている私の方を向き、これまた無表情で
「大丈夫でした?」
と、問いかけた。
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side アリゼ
いやー間に合って良かったです。
この人の速度がゴブリンよりも若干遅いぐらいでしたので、ワンチャングサって行かれてた可能性がありました。
ま、ゴブリンは女性には致命傷を追わせません、理由は単純繁殖のため
ゴブリンはオスしか生まれないので、他種族のメスを攫っては犯し攫っては犯しを繰り返すのでそれはもう嫌われていますね。
既に事切れて動かなくなったゴブリンをぱぱっと燃やし尽くし、女性の方を向きます。
「大丈夫でした?」
「エッ、あ、はい大丈夫です…?」
何故に疑問?
…あっそういえば回収する時に使った魔法解いてないですね。
魔法を解除すれば彼女に巻きついていた魔法の蔓はしゅるしゅると地面へ消えていきました。
「さて…助けたお礼ってことで、ここから1番近い人里教えてくれません?」
「ひ、人里…?ファウストの街のことかな…?」
彼女は視線をチラチラと動かし続け、多分何かが目に付いたんですかね?
ピタリと止まりました。
「あちらの方向に!ファウストの街があります!」
ビシっ!とちょうど現在位置から北の方に指を指す彼女…うん、助けて正解でしたね。
「そうですか、ありがとうございます。じゃあ私はこれで…」
「あ、ちょっと待ってください!」
「?」
魔法を使い飛び上がろうとして…呼び止められました。
なぜ…?
「案内させてください!あと置いてかれたら私死んじゃいます!」
案内させることにしました。
助けたのに死なれるのは目覚めが悪いですので。
案内を任せている途中、彼女が色々なことを喋ってくれました。
まず彼女の名前ですが、ユズノハというらしいです。
ゴブリンから逃げていたのは想像よりも怖かったのと、ナイフをなくしたからだそうで…
この人この先生きていけるんですかね?
あと、間違ってるかもしれませんが、死んでも生き返る的な言葉が聞こえました。
蘇生魔法ならありますけど、それですかね?
1時間ほど歩いたら森を抜け平原に出ました。
そしてその奥の方にちょっと大きめの防壁があったので恐らくあれがファウストという街なのでしょう。
「おー!」
「待てー!」
「キュー!」
なんか大人2人がかりで1匹の兎を追いかけ回してるのを目撃したような気がしましたが気のせいでしょう、恐らく。
「あー、うさぎってここだったんだ……なんで私森の方行ったんだろ」
気のせいでしょう()
「ようこそファウストの街へ。お、そこのお嬢さんは召喚者か」
と、門番の方はユズノハさんを見て言いました
召喚者…?はて…?となっていると門番さんは説明してくれました。
なんでも世界の危機に女神様が異世界からかなりの数の人間を召喚したようで、一人一人に蘇生の加護とスキル、魔法を授けたそう。
それが今日の朝
今日ですかそうですか……
ユズノハさんも召喚者との事、死んでも生き返るってなかなかにやべーですね?
と言うか地味にこの世界危機に陥ってる事に戦慄しました。
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