第3話

二人は思いやる


しかし、茉琳は翔を偽る。死別した元彼を溺愛していた茉琳はピアスだけでなく全身至る所にタトゥーを施していた。

左肩にハートマーク

そして左の肩ぐちに薔薇の花

右の肩口に蝶が舞い、

右の二の腕にアイラブ

背中には天使の羽根が描かれ、

左の内股にはハートに矢が刺さり元彼の名が刻まれていた。


 しかし茉琳は今、レーザーでタトゥーを消す治療を受けていた。レーザー照射を数回うけて色を分解してボケさせている。いずれは消え去るといううもの。

翔にも言われた 素の自分を見せたいと努力はしている。


 そして翔も茉琳を偽る。


 スカートが捲れて時、本当は足の付け根まで見えていたりした。

 もちろんタトゥーも確認している。

 事件の時、連れ込まれた病院の寝巻きが、はだけて丸見えだった。

 

 ただ、初めて見かけた時より、線がボケて色が薄くなっている。茉琳の方で何某、対策しているのがわかったんだ。

 頭の各所にしていたピアスも外している。翔的には、好ましい方向へ行っていると感じていたんだ。変に飾らない茉琳を見られると喜んでいる。

 だから、脚の膝から下が見えないって嘘をついたんだ。


バスが来た。そんな2人を乗せて、出発していく。




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マリとマリン 2in1 アルバイト @tumarun

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