第31話 ヴェルムドとの死闘と新たな誓い!

起源の間は、翠の広がりの最深部、精霊の聖堂のさらに奥——世界樹の心臓部に存在する。そこは、風、炎、光、地、水、雷の六つのマナが最初に交差した聖なる空間だ。六人は雷鳴の塔を後にし、竜人族の戦士たちに見送られながら、翠の広がりを再び進む。ルミアの幻影が槍の光と共に浮かび、優しく微笑む。


『ハヤテ…リリス…みんな…私の魂、感じる? もうすぐ…完全に…』


ハヤテが槍を握り、リリスの手を強く握る。


「ルミア、絶対取り戻す。お前と三人で笑うって約束、守るぞ」


リリスが涙を浮かべ、頷く。「ルミア、待ってて。私たちの愛、絶対届けるから!」

バルドがハンマーを担ぎ、「ドワーフの土が、ルミアの光を支える!」

セレナが水の結界を張り、「エルフの水が、ルミアの魂を浄化する!」

カイザが雷の槍を振り、「竜人族の雷が、ヴェルムドを貫く!」

 六人の絆は揺るがない。旅の途中、夜の焚き火を囲む。ルミアの幻影が火光に揺れ、言う。


『みんなの心が…私の光を強くしてる。起源の間で…封印を解けば…私は…』


ハヤテがリリスの肩を抱き、言う。


「ルミア、どんな試練でも受ける。お前が帰ってくる場所、俺たちが作る」


リリスがハヤテに寄りかかり、微笑む。


「うん、ルミア。ハヤテと私のキス、ちゃんと見届けてよね」


ルミアの幻影が照れ笑いし、消える。六人は笑い合い、起源の間への決意を新たにする。起源の間:封印の祭壇精霊の聖堂の最深部にたどり着くと、巨大な光の門が現れる。門には六つのルーン——風、炎、光、地、水、雷——が刻まれ、ルミアの槍が共鳴。門が開き、起源の間が現れる。そこは無限の星空のような空間で、中央に巨大な封印の祭壇が浮かぶ。祭壇には、ルミアの魂とヴェルムドの闇が閉じ込められた光と闇の水晶が二つ並び、互いに脈打つ。世界樹の根が空間を貫き、六つのマナが渦巻く。ルミアの幻影が祭壇の前に現れ、言う。


『ここが…私の魂とヴェルムドが繋がった場所。六つの力を祭壇に注げば…封印が解ける。でも…ヴェルムドも完全覚醒する…みんな、準備は…?』


ハヤテが剣を構え、


「ルミア、準備万端だ。ヴェルムドをぶっ倒して、お前を完全に取り戻す!」


リリスが炎を灯し、「ルミア、私たちの愛、絶対負けない!」 六人は祭壇を囲み、それぞれの精霊のルーンに立つ。バルドが土のルーン、セレナが水のルーン、カイザが雷のルーン、ハヤテが風のルーン、リリスが炎のルーン、ルミアの幻影が光のルーン。儀式が始まる。

 封印解除:六精霊の儀式六人がマナを注ぐ。ハヤテの風が祭壇を包み、リリスの炎が光を熱し、バルドの土が基盤を固め、セレナの水が流れを浄化、カイザの雷がエネルギーを与える。ルミアの光が全てを繋ぐ。祭壇が輝き、光と闇の水晶が共鳴。ルミアの幻影が実体化し始め、彼女の金色の瞳が輝く。


『ハヤテ…リリス…みんな…ありがとう…!』


だが、闇の水晶が爆発的な紫黒の光を放ち、ヴェルムドの咆哮が響く。


「愚かな精霊使いども! ルミアの魂は我がもの! 完全なる闇が世界を呑む!」


闇の水晶が砕け、ヴェルムドの完全体——無数の触手と紫黒の鱗を持つ巨大な闇の龍——が実体化。起源の間が闇に染まり、六人が吹き飛ばされる。ルミアの魂が半分実体化し、ヴェルムドの触手に絡め取られる。


「ハヤテ…! みんな…!」


ヴェルムドの龍が咆哮し、闇の波が六人を襲う。ハヤテが風の結界を張り、リリスが炎の壁で防ぐ。バルドが土の要塞を築き、セレナが水の津波で波を押し返す。カイザが雷の槍を投げ、龍の鱗を貫く。ルミアの半実体が光の槍を握り、触手を切り裂く。


第一フェーズ:闇の軍勢


ヴェルムドが無数の闇の眷属——影の魔獣、蛇、糸の怪物——を召喚。六人が連携。 ハヤテ:風の嵳刃で魔獣を一掃。

リリス:炎の紅蓮爆で蛇を焼き尽くす。

バルド:土の巨人で糸を封じる。

セレナ:水の鏡で眷属を混乱。

カイザ:雷の嵳で怪物群を貫く。

ルミア:光の矢でヴェルムドの目を狙う。


眷属が倒されるが、ヴェルムドの触手がルミアを完全に捕らえ、魂を吸収しようとする。ハヤテが叫ぶ。


「ルミア、離すな!」


第二フェーズ:ヴェルムドの核


ヴェルムドの胸に闇の核が現れ、ルミアの魂を吸い込む。六人が核を狙う。 バルドが土の鎖で龍を縛り、セレナが水の槍で核を弱める。

カイザが雷の全力で核を貫き、ハヤテが風で攻撃を加速。

リリスが炎の絶天紅蓮を放ち、核を焼き払う。

ルミアが光の槍で核に突撃、「みんなの絆を…!」


核が揺らぐが、ヴェルムドが反撃。闇の炎が六人を焼き、ハヤテの剣が折れ、リリスの炎が弱まる。バルドの鎧が砕け、セレナの水が蒸発、カイザの槍が弾かれる。ルミアが触手に締め上げられ、叫ぶ。


「ハヤテ…リリス…!」


絶望の淵で、ハヤテとリリスが互いの手を握る。ハヤテが血を流しながら叫ぶ。


「リリス、ルミアを救うって約束、絶対守る! 俺の愛、お前に全部!」


リリスが涙を流し、キスを返す。


「ハヤテ、私の愛も全部! ルミア、帰ってきて!」


二人のキスが起源の間を金色に染め、ルミアの槍が爆発的な光を放つ。光が六人のマナを増幅し、風、炎、地、水、雷、光が虹色に輝く。ルミアの魂が触手から解放され、完全実体化。彼女の金色の髪が輝き、ローブが光の粒子に包まれる。ルミアが涙を流し、微笑む。


「ハヤテ…リリス…みんな…私はここにいるよ!」


ルミアの復活が六人の力を覚醒させる。 ハヤテ:シエルの真風神

リリス:フェニルの絶天炎神

バルド:ガルムの不壊地神

セレナ:アクアの浄化水神

カイザ:ライオスの滅神雷

ルミア:ルクスの光神


六人の合体技——「六精霊の起源解放」——が発動。虹色の光がヴェルムドの核を貫き、龍の咆哮が悲鳴に変わる。


「我は…永遠の闇…なのに…!」

光が闇を浄化し、ヴェルムドが粒子となって消滅。起源の間が清らかな光に包まれ、世界樹のマナが完全復活。ルミアがハヤテとリリスに抱きつき、涙を流す。


「ハヤテ、リリス…みんな、ありがとう! 私、帰ってきたよ!」


ハヤテがルミアの髪を撫で、笑う。


「ルミア、遅かったぞ! 約束通り、三人で笑うぜ!」


リリスが二人を抱きしめ、「ルミア、めっちゃ心配したんだから! もう離れないよ!」 バルドが髭を撫で、笑う。


「ドワーフの土、ルミアの光に救われたな」

セレナが微笑み、「エルフの水も、ルミアの輝きに導かれた」

カイザが雷の槍を掲げ、「竜人族の雷、ルミアの笑顔に誓う!」 起源の間が星空に変わり、六人は手を繋ぐ。世界樹が輝き、平和が訪れる。ルミアが言う。


「みんなの絆が、私を救ってくれた。これからも、ずっと一緒に…」


戦いの後、六人は世界樹の麓で再会。ルミアは新しいローブをまとい、ハヤテとリリスと焚き火を囲む。ルミアが笑う。


「ハヤテ、リリス、キスシーン、めっちゃ見ちゃった! 照れるな~」


リリスが顔を赤らめ、「ルミア! 見ないでよ!」

ハヤテが笑い、「ルミア、お前もいつか恋しろよ!」


バルド、セレナ、カイザも加わり、六人は新たな冒険を誓う。世界樹は守られたが、新たな脅威がどこかに潜むかもしれない。ハヤテがルミアとリリスの手を握り、言う。


「どんな未来でも、俺たち三人、ずっと一緒だ」

リリスとルミアが頷き、「ずっと一緒!」 星空の下、炎と風と光の誓約は永遠に輝く。



『炎と風と光の誓約・完結編』に続く・・・・・・

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精剣使い ~炎と風の誓約~ tai-bo @taisetu

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