第9話 インターホン

「それと、今朝、あなたが出されたごみの中に、凶器とみられる包丁が見つかりました。今、鑑定に出しているところです」


「え?」


「最後にもう一つ。悠汰ゆうたさんのマンションのインターホンに、あなたの様子が録画されていました」


 と言われ、警察が胸ポケットから取り出した写真を見て、朱莉あかりは全身から血の気が引いていくのを感じた。


「嘘、でしょ……」


 写真の中の女は、インターホンのカメラを様々な角度から覗いていた。

 上から、下から、右から、左から。

 それは……、



 自宅で悠汰の部屋を眺めていた朱莉の姿そのものだったのだ――。



         〈了〉

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ミニチュア模型に彼は住んでいる 佐藤 楓 @erdbeere2023

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