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緋雪様
一枚の桜の写真は、西岡さんの孤独を救う一助となったのですね。
>日本人の血には、きっと桜の成分が含まれているに違いない――
この夏樹さんの想いに深く共感します。そうなんだと思いました。
そんな夏樹さんの優しさが愛おしいです。
那智さんとこよみさんの近況ノートでも絶賛されていた
緋雪様の『一枚の桜』
絶対読みに行こうと決めていました。
期待を裏切らない素晴らしさでした。
読ませていただいたき、ありがとうございました!\(^o^)/
作者からの返信
ブロ子さん、コメントありがとうございます。
その人にとって特別なら、薔薇でもチューリップでも椿でもいいんだと思うんですよね。でも、夏樹は、西岡さんの好きな花など知りません。
だけど、桜は特別な花だと思うんです、日本人にとって。だから、桜の花を仲間たちと楽しみたかったし、一人何も無い外を見せられている西岡さんにも、見せてあげたかったんじゃないでしょうか。
優しさというよりも、「お花見」という文化を持つ日本人の本能だったのかもしれません。
「一緒に桜を見ませんか?」っていう。
ブロ子さんを、ここにお誘い下さった、那智さんとこよみさんに感謝ですね(*^^*)
読んで下さって、とても嬉しいです。
ありがとうございました。
最初は老人ホームのお話かと思いました。
2回ほど訪ねた時があって。雰囲気とかそんな風情でした。それぞれ好きなことをされたり、入居者同士話をされるてるテーブルもあったり。
そこの2階の目の前から咲き誇るさくらが見えました。
何にもない外を眺める姿に胸が痛くなりました。
嫌いや疎う気持ちは誰しもが持ちますが、無い環境にいられるほうが自身にとって心健やかであります。
ラスト夏樹さんの寂しさと穏やかなる心の描写がとても良かったです。
作者からの返信
老人ホームのお年寄りは、ここよりは楽しんでいるのではないかと思います。
毎日何かと楽しむことを考えて貰えて、スタッフさんも常に一緒にいてくれます。
でも、ここは精神科病棟なので、ケアはもっと事務的で、ずっとついているわけでもないんですね。
こんなに素敵な桜が咲く季節に、何も無い外を見せられている、そんな切ない姿を見ての、自然な行動だったのかもしれません。
年を繰り返してあらわれた、西岡さんの変化。
衰えなのか、自然におとずれた成熟なのか。
はかない桜に象徴されるようなその変化は、あるいは主人公の心の反映なのでしょうね。
作者からの返信
武江成緒様、コメントありがとうございます。
西岡さんの変化は何だったでしょうね。どちらかといえば衰えだったような……。
主人公の心の反映。
それはそうだったのかもしれませんね。
いつまでも花を咲かせるわけではない桜。
その老木を見るような気持ちになったのかもしれません。
咲かせられなくなった桜の花を見せることで、懐かしさや憧れ、まだ生きているという自覚のようなものが、西岡さんの中に蘇ってきたのかもしれませんね。
素敵なレビューコメントもありがとうございました。
一枚の桜、そういう意味でしたか。
病院ならではの空気が濃厚で、前半肌がピリつくような気持ちになりました。巧みであり匠ですね緋雪さんは!
切り取られた春の景色は、西岡さんに確かなあたたかみを与えてくれたのでしょうね。救いと言っても過言ではないのかもしれません。
レビュー書きたかったのですが、上手く言葉に出来ない気持ちが良い意味でたくさんあったので、ひっそり★をつけて走り去ります。
ウオーッεε=(((((ノ・ω・)ノ
作者からの返信
夕雪さん、コメントありがとうございます。
病院の描写、上手いですか(笑)。
10年くらい出たり入ったりしてましたからね(笑)。
でも、そう言ってもらえるの嬉しいです。
ありがとうございます。
桜の見える、一枚の小さな空は、彼女に、春の暖かさを思い出させてくれたでしょうか。
彼女のほんのちょっとの救いになってくれたでしょうか。
ふふふ。レビューコメントはお気になさらず。
お気持ち、とっても嬉しいです。
読みに来てくださって、ありがとうございました(*^^*)
認知症が進んで色々なことを忘れている祖母が、昔の写真を見る時、嬉しそうにして思い出話を語ってくれます。
もう覚えてしまうほど何度も聞いた話ですが、人間って写真を見る時、心の底に残っているものを繋げて思い起こせるものなんだなぁと感じます。
西岡さんに桜にまつわるどんな思い出があったのかはわかりませんが、一枚の写真が彼女の心を慰めてくれたのだと良いなぁと思います。
読ませて頂きありがとうございました。
作者からの返信
幸まる様、コメントありがとうございます。
飽くまで想像なんですけど、認知症の人が見ている景色って普段は灰色のような気がして。
そこに写真で覚えている景色、人達、色を見ると、記憶を呼び起こすのかな、って。
何となくそう思えてしまうんですよね。
西岡さんにとって、桜の色が彼女の心に彩りを与え、嬉しかった思い出、楽しかった思い出がほのかにでも蘇ってくれることを祈ります。
こちらこそ、読んで下さってありがとうございました。
緋雪様
とても興味深く読ませて頂きました。
西岡さんは、一体、どのようになるのかと思っていたら……。
その姿に、抵抗できない老いへの無力さを感じてしまいました。
哀しいなと……。
でも、それを包み込むような主人公の優しさに癒され、最後は温かい気持ちになれました。
素敵な物語でした。
ありがとうございます^^
作者からの返信
イルカさん、コメントありがとうございます。
>抵抗できない老いへの無力さ
同じようなことを、主人公も感じていたのだと思います。
同情なんて失礼だと思いながらも、余りにも彼女の置かれている状況が哀れで。
たった一枚の桜が、彼女の灰色の世界に彩りを与えてくれますように。
そんな気持ちで贈ったのでしょうね。
少しでも「嬉しい」「綺麗」っていうような気持ちを思い出してくれたら、きっと、彼女も、主人公自身も救われると思います。
ありがとうございました(*^^*)
緋雪さん
この度は『桜猫企画』にご参加いただき誠にありがとうございます。
作品を拝読させていただいて、一番に感じたことは人も桜も移ろいゆく時間の中で咲いては散っていくのだという無常感でした。
西岡さんは確かにガサツで騒々しく、夏樹さんや他の入院患者の方々にとって迷惑な存在であったかもしれません。
けれど彼女は彼女なりに必死に生きていたのでしょう。
夏樹さんは何度目かの入院の時、その軌跡のようなものを感じ取ったからこそ桜の写真を手渡すという行為を自然にしてしまったように思います。
それは同情や哀れみなどではなく、勲章を与えるような心持ちだったのかもしれませんね。
そして同時にそれは夏樹さんの病気は快方に向かっている証拠のような気がします。
読み終えてどこか哀しくも清々しい気分になれました。
また陽だまりでくつろぐ自由な猫も物語に良いアクセントをもたらしているように思えました。
素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!
作者からの返信
那智さん、コメントありがとうございます。
『桜猫企画』、「ねこぉおおお!!」って感じでしたが、なんとか仕上げました💧
咲いて散っていく桜。人生になぞらえることもできますよね。無常、確かに。
実を言えば、この桜の写真を渡したシーンは実話です。
まるで空気のように誰からも相手にされず、こんなに多く人がいる中で孤独で、ただ何もない窓の外を見せられている人を見るたび、きゅうっと心が痛んで……。
その人は桜の写真に喜んで、毎日毎日それを嬉しそうに眺めていました。私は、それを見て、救われたような気がしました。
彼女に桜を渡したのは、彼女のためだけではなかったでしょう。
私の場合は、そこから転院して、特別な治療を受け、寛解に至りました。
夏樹は、どうなったでしょうね?
猫、いい感じに使えてましたでしょうか?(笑)
読んで下さって、ありがとうございました。
入院患者さん一人一人の病状の違いや心の機微が伝わってきて、ゆったりと不安に流れる時の流れも感じられて、深い感慨を残す物語でした。
西岡さんのような人、病院じゃなくてもいますよね。家族以外にどうにもできないけれど、肝心の家族がどこにいるかわからなくて、放置状態。
きっとこの人も生まれた時には親きょうだいや親せきがいて、誕生を喜ばれたのかな……なんて思うと、人の一生の儚さをしみじみ感じてしまいます。
一枚の桜の写真で救われる気持ちが、彼女にもあって良かったです。
猫ちゃんも実に自然に登場して、しかも印象的でした!
心に残る素敵な物語をありがとうございました^^
作者からの返信
こよみさん、コメントありがとうございます。
深く丁寧に読んで下さって、嬉しいです。
精神科の病気は十把一絡げにされがちなんですが、一人一人病名も状態も、それぞれ違います。
ある日、嘔吐を繰り返し、点滴を繋がれて、私のベッドの隣に引っ越してきた重症患者がいました。
私は毎日窓を少し開けて空気の入れ替えをするので自然な匂いしかしない部屋にいたのですが、そのうちその患者さんは少しずつ楽になってきたと言うのです。
理由をきけば、彼女は、神経が過敏で、隣の人の臭いに耐えられなくなっているのに看護師さんにも言えなかったとのことでした。
恐らく、彼女の隣のベッドの人も悪気があって悪臭を漂わせていたわけではなかったでしょう……。
精神科病棟というのは、そんなところです。
西岡さんのように、家族に半分見捨てられている人も少なからずいます。
家族の気を引きたくて、部屋の鏡を割ってでも自傷しようとする中学生もいました。
そう。皆、生まれた時には、ウェルカムだったはずなのに。
こうやって放置状態で枯れていく人が、桜を見て、少しでも元気になれるのなら……。主人公もそう思ったのかもしれませんね。
猫! 違和感なかったですか?(笑)
もう、あそこに入れるしかないだろう?という苦しい策でしたが(笑)(笑)。
読んで下さって、ありがとうございました。
ボクも長く入院していましたので・・病院の中の苦手な人って、よく分かります。。どうしても、生理的に受け付けないというか、そういう人がいるんですよね。
西岡さん・・がさつで無神経だけど・・拝読していて、何かほんのりする部分を感じていました。それは、人を攻撃しないところでしょうか?(結果として、攻撃のようなことになってしまうことはあっても、意図して攻撃しないという意味で・・)
夏樹さんが、西岡さんに桜の写真を上げたのも・・西岡さんに、そんな部分を感じたのかなって思いました。
桜が満開・・素敵なお話でした。
作者からの返信
永島様、コメントありがとうございます。
長く入院していると、というか、どんな狭い場所でも、人が沢山集まれば、ですよね。例えば、カクヨムでも。その中に小さな社会ができてしまう。仲良くできる人もいれば、この人のことは苦手だなあっていう人もできる。
そんなもんですよね。
主人公は、西岡さんのことは苦手だったけど、西岡さん本人には悪気はないんですよね。ただ、病気のせいでそうなってしまっただけ。だから入院治療をしているだけなんですよ。
夏樹は、そこに気づいたのでしょうか?
彼女自身が成長したのか、周りのことが冷静に見られるほど精神状態が良くなったのか……。
青空の下、満開の桜は、美しく。
日本人の心を癒やしてくれていました。
隣で、妻がYouTubeでピアノ演奏を流しているのを聞きながら、読んでいました。最後の部分は少年と若者が奏でるクイーンのボヘミアンラプソディでした。なぜか、桜とこのピアノだけのボヘミアンラプソディが上手く合う様に思えました。と言うか、緋雪さんの描かれた桜に対する思いがです。今は、サキソフォンになってますが、サキソフォンも合うかもしれません。
作者からの返信
fuimiyaさん、コメントありがとうございます。
どんな感じか掴めなかったので、私もYoutubeでピアノ演奏とサキソフォンの演奏を聴いてみました。
なるほど、です。
なんというか物悲しくて、でも深い気持がそこにあって……っていう感じでした。
この物語の桜によく似合っていると、私も思いました。
丁寧に読んで下さって、ありがとうございました。
緋雪さん、こんばんは😊
入院患者さんの中には色んな人がいて、夏樹さんにとっては西岡さんのような苦手な存在も。
ずっとそう思っていたけど、入退院を何度も繰り返すうちに、西岡さんの変わり果てた姿を見ると、夏樹さんの中に気持ちの変化が起こったようですね。
桜の花って、なんだか日本人の心の中に響くものがありますよね。
夏樹さんが、その淡く薄ピンクの桜の花を見た時に衝撃が走ったように……。
その桜の写真を入院患者のみんなにも見せてあげたい……そんな気持ちが心に芽生えた夏樹さんはちょっと心が前向きになったのでしょうか?
あんなに苦手だった西岡さんにも初めて話しかけて渡した桜の写真。
物悲しい雰囲気の中にも希望が見えるような素敵なお話でした。
作者からの返信
のこさん、こんばんは。
特に長期入院を必要とする精神科病棟では、狭いながらも社会ができてくるんですよね。
その中で、合う合わないは日常的です。
でも、その関係性は絶対的ではないんですよね。
桜は何故あんなに日本人の心を揺さぶるのでしょう。
この風景を、外の世界に出られない皆に見せたい!
夏樹はシンプルにそう思ったのでしょう。
その桜を、西岡さんにも届けさせたのは、夏樹のどんな気持ちからだったのでしょうね。
哀れんで、とかよりも、彼女を喜ばせたくて、という、それもまたシンプルな気持ちだったからかもしれませんね。
深く丁寧に読んで下さって、ありがとうございました。
綺麗に咲いている桜。満開の桜は見事で美しい。でも何故かどことなく物悲しい気がするのは私だけでしょうか。(桜の色が淡く薄い色のせいかも知れない)
この物語は何か物悲しい、けれど美しい、その桜の花と似たような雰囲気に包まれているようです。
ガサツで無頓着で不作法で・・ひとつもいい所を見出せなく、皆から煙ったがられている西岡さん。読み手までも不快にさせてしまいそうな人だったのに、いざ萎れた花のように見る影もなくなった姿を見せられると、何だかとても哀れになって。
あんなに嫌っていたのに、話しかけたり写真をあげたりしている夏樹さん。
どんな憎まれ者でも、消え入りそうな弱々しい姿は見たくないんですよね。
何となく物悲しい雰囲気で気分が沈みそうなお話ですが、でも、夏樹さんがあの西岡さんを気遣って自分から声をかけてあげられたり、ルールを破ってまで綺麗な桜を見せてあげたいからと写真をプレゼントしたり、同情しては失礼だと思いながらも行く末を気にかけてあげられるようになったのは、彼女が回復への道を着実に進んでいってる証拠じゃないかと思えて嬉しいです。
入院患者さんがみんな元気になって、心の底から綺麗な桜を愛でることが出来ますように、といつもながら感情移入してしまっている私です。
作者からの返信
ローバさん、コメントありがとうございます。
ソメイヨシノは白くて幻想的な花。
けれど、北海道の、特にこの辺の桜は山桜なので、濃いピンクの葉桜なのですよ。
私はソメイヨシノの地で生まれ育ったので、やはり白い桜が好きですけれど。
どんな嫌われ者でも弱った姿は見たくない。
そうかもしれませんね。
それで、少しでも元気になれば、と、桜の写真を渡したのかもしれません。
人間って不思議な生き物ですよね。
なるほど、夏樹がしていることは、当たり前のことなのかもしれません。
そう考えると、夏樹は、病状が良くなっているとも考えられますね。
素晴らしい考察だと思います。
さすがローバさん。読みが深い。
いろいろ、感情移入して読んで下さってありがとうございました。
皆でお花見ができるように、病院の施設内に桜を植えてもらえないかなあ……。
そう思いました(*^^*)
お邪魔します。
当事者家族です。
可哀そう、でもない、嫌だだけでもない。
汚くもあるし、臭いし、迷惑だし。
でも、でも。
桜の写真を、ぎゅっと握りしめて。
ぼろぼろ、泣きながら読ませていただきました。
ありがとうございました。
作者からの返信
壱単位様、コメントありがとうございます。
ご家族の方なのですね。
同情でも、私の歳で共感でもない、なんと表現すればいいのか、私自身、わからないのです。
大嫌いだったし、今でも決して好きにはなれない。
でも、桜の季節に、何も無い外を毎日見せられている彼女を見て、胸がきゅうっと痛くなったんですね。
たった1枚の桜が、彼女を少し幸せにしてくれたらいい。
ただそれだけの気持ちで贈りました。
実話ベースの話なのですが、
私にはそれ以上のことはできません。
やはり、ご家族の方との時間に勝るものはないと思います。
お大事になさってあげてください。