怪奇という灯りで見える本性

気に入って250話近く一気読みして…。


上野の明るさと彼に取り憑く手の関係を知り、読者に対して悪霊とは怖い現象なだけではなく人の思考を変えていくのだと教えられる気分でした。

上野が物語のはじめから見せている明るさと彼の幼い頃に持っていた純粋な悪意。それを蓄えていた取り憑く手。

神田が見せる威圧感の裏にある家族関係。
救いを求めて狂ったのか、狂っていて幼い神田だけがまともだったのか。

己を見失うから呪うのか、黙して己を騙す事は必要なことだったのか。檻に入っていたのは他者かそれとも感情なのか。

部活という建前では抑えきれないアタリや倉庫に納められたホンモノ、それを嬉々として向かう者たち。

祈り、まじない、呪い。
出くわす怪奇から繋がる事実は登場人物の本性を読者の我々に見せてくれるようになります。