サキの秘密日記 特別編「黒歴史」
武藤勇城
↓本編はこちらです↓
クロレキシ
辰寧元年 青季28日
タイショウに、また日記の事を聞かれたわ。
「どうだ?進んでいるか?」
だって。
毎日1枚、ちゃんと書いてるわよって、でも絶対に見せないからって言っておいたわ!
あの人、まだ冒険者に読ませるつもりだわ!
どうしよう?
これはもう「タイムカプセル」しかないわ!
「タイムカプセル」って何かしら?ちんぷんかんぷんね。
ニホンノショウガッコウニアルフウシュウデソツギョウマエニオモイデノシナヲコウテイニウメルらしいわ。
それをソツギョウゴセイジンシキノアトノドウソウカイデホリダシテコドモノタワゴトヲタノシムんだって!
何がなんだか分からないわ!
兎に角、恥ずかしいものは土に埋めてしまえっていう意味ね!
もう諦めて欲しいわ。
あの人しつっこいのよ!
昔の事もよく覚えているし、あんなナリして、女々しいったら!
夜の瞬間も女の子になっちゃうし、本当は女なんじゃないかしら?
今度、髪油を使ってみる?って聞いてみるわ!
あの薄くなった頭にも、もしかしたらつやっっっっっつやの髪の毛が生えてくるかも知れないわね!
でも、女の子になって夜が疎かになったらイヤだわ!
ただでさえ少なくなっているんだから!
やっぱなし!
もっと男らしく逞しくなってくれないと!
あの夜の声も、もうちょっとカッコ良くならないものかしら?
最近、都で色々な道具が出回っているみたいだし、また何かトラに探してもらうわ!
また明日!
辰寧元年 青季29日
昨日の日記の内容を書いていて少し気になったから、色々な人に話を聞いて回ったわ。
そこで知った言葉がね、「チューニビョウ」と「クロレキシ」っていうの。
「チューニビョウ」「クロレキシ」って何かしら?ちんぷんかんぷんね。
「チューニビョウ」っていうのはね、接吻をする時に、サッと触れて離れちゃうような軽いものじゃなくって、たっっっっぷり2秒数えるぐらい、濃厚な接吻をすることなんだって!
そういう願望とか欲望っていうの?
子供の頃にはよくあるでしょう?
幼い頃の、誰にでもある夢見がちな心理状態を指すんだって!
「クロレキシ」の方はね、クロレっていう名前の、遠い世界のキシのお話。
この人、後々立派な活躍をするんだけれどね、そんなキシ様にも、とんでもない過去があって、それは他人に言えるようなものじゃないんだって!
そういう他人に言えない過去を総じて「クロレキシ」って呼ぶらしいわ!
勉強になるわ!
教えてくれる冒険者のみんなに感謝しなくっちゃね!
そうなると昨日の「タイムカプセル」と、今日知った2つの言葉、どっちが今の状態に近いかしら?
チューニビョウっていうのは少し違うわね。
タイショウのクロレキシ、こっちの方が合っている気がするわ!
でもタイショウのクロレキシはいいけれど、それじゃ間に合わないからタイムカプセルなのよね?
やっぱりタイムカプセルしかないわ!
また明日!
サキの秘密日記 特別編「黒歴史」 武藤勇城 @k-d-k-w-yoro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます