天界に住む半妖の妖狐姫が身代わりの妃となり地上の王弟と結ばれる恋物語

ヒロイン雪玲が、天界に住む半妖の妖狐姫が周囲の勧めで地上に降り、天真爛漫で純真無垢、おまけに義侠心に溢れた性格を持って、身代わり妃嬪として後宮に入る点で、面白い展開があると、まず先入観が湧きました。
入宮後は、妃嬪からの虐めに遭うが、とんちを効かせ、琴棋書画の才で見事に躱し、古文字に精通している事が知れると、毒害で臥せる帝の解毒治療が載っていると思われる古書の翻訳を、帝の身代わりとして仮面を付け帝のふりをする王弟天佑から依頼を受ける。その天佑こそ市井で知り合い淡い恋心を抱いた彼であった。彼の帝を毒害から救いたい願いを叶えたく翻訳の為王宮に出入りする姿に、妃嬪からの嫉妬が暴走し、暗殺未遂に巻き込まれ、負傷による体力低下が妖力の不足を招き、人の姿を維持することが叶わず、傷付いた小狐へと変化。雪玲行方不明の知らせを受けた後、天佑はその小狐を発見し、負傷の治療を施し快方に努めた。小狐姿であっても雪玲は古書の翻訳を続けるなかで、天界で知り合いの仁獣が、地上に降りた際に罠に掛かり捕獲、珍獣として帝への献上され、雪玲と再会した際、帝の毒害を治す霊薬を授け、霊力を持つ神医から3日間金針を打てば目覚めると、治療方法を伝え、雪玲には人の姿に戻れる程の妖力を分け与えた。漸く雪玲は、妖力の授受により人の姿に戻り、天佑に神医を探すように進言。過日毒害に遭い眠り続ける雪玲の足首に小狐に与えた首輪が括られており、眠る雪玲に天佑が小狐との関連を問い質した所、本人であると証言したので、雪玲が神仙の血を引く高貴な方と理解すると、天佑はこれまで通り雪玲と応対出来ないと自覚。毒害から快方した雪玲は、天佑から『お前は人なのか』の問いに答えることが出来ず、人ならざる存在の雪玲に、天佑が立腹していると思い、彼から離れる事を決意、加えて入宮目的も果たしたことから、彼と初見時に約束した『願い事を1つ叶える』を後宮からの解放を申し出、受諾され天界へと帰っていった。雪玲は天界に戻ると仙人に化す前は人間の医師であった父親に、神医として帝の毒害治療を要請、雪玲の父親は神医として帝の毒害を治し、天佑から褒美の授与の希望を聞かれたがそれを断り、代わりに合縁奇縁、人と人との巡り合わせの縁を説いた。これは、娘をめとって欲しいと、父親としての要望を暗に仄めかしたものと解釈出来ます。
その後、復活した兄帝天誠と弟天佑との真帝不在時の出来事を語らうシーンで、雪玲が話題になるも、釣り合わない間柄と嘆く弟に対し、王族の始祖が天龍であり、血が薄れた今も、我々には声に妖力が宿っている事を兄が説き、弟天佑は雪玲への恋情をを再び滾らせ、雪玲が立ち入りそうな場所へ雪玲出現の暁には連絡を貰える様に要請。
雪玲は天佑との初恋が破れた事に鬱々泣き濡れていたが、周囲から天佑の本心を確かめてからこの恋を諦めるのか、新たな恋に臨むかとせつかれ、終いには天界から地上に堕とされ、再び雪玲は市井へと降り、以前天佑と訪れた麺屋に入り麺を食するも、当時の楽しかった記憶と今との心情のギャップに寂寥を感じ涙する。店主は雪玲訪店を天佑に伝え、店を出た雪玲の元に天佑が駆け付け、彼女にプロポーズをする。彼女も彼への想いを伝え、二人は結婚の運びとなった。過日二人には可愛い嬰児が授かる。
兎に角、二人は結ばれる縁ではあったが、そこに至る紆余曲折、波乱万丈なプロセスの中、お互い気持ちが離れ、悲哀を抱いた時期があっても、恋慕う心情に感動しました。