【KAC20245】離さないで!
この美のこ
離さないで!
奈々はもう少し東京で頑張ってみようと心に決めたら、とても心が軽くなっていくのを感じた。
辛かった朝の目覚めが清々しく感じてくるから不思議だ。
そんなある日の事、通勤途中に偶然見つけた『ストリートダンス』の教室。
高校の時にはダンス部だった奈々。
メグと一緒に踊って笑って汗を流した青春時代が急に蘇ってきた。
高校時代の時のように思い切り体を動かせば、ストレス解消にもなるかもしれない、そう思った奈々は迷わず、仕事帰りにストリートダンス教室へと向かった。
この教室との出会いが、奈々の生活を一変させるほど充実させてくれるものとなった。
ダンス教室に通い始めて半年が経った頃の事だった。
レッスン終了後に、講師の
「個人的な事で申し訳ないのですが、僕の友人からサプライズ・プロポーズをしたいので協力をして欲しいとの依頼がありました。そこで、僕はフラッシュモブ・ダンスでそのプロポーズを盛り上げたいと考えています。これは全くのボランティアになりますが、皆様の中で協力をしても良いとお考えの方がいらっしゃれば一緒に踊って頂けませんか?」
すると生徒の殆どが一斉に協力したいと手を挙げ、奈々もその中の一人で面白そうと思っていた。
それがきっかけで、毎日のように皆が集まり、ダンスの練習を重ねていった。
その中には、プロポーズを決行する
潮先生のアイデアを元に、翔の希望も入れて皆で話合いながら進めていくダンスは楽しく絶対に成功させたいとの思いも高ぶってきていた。
いよいよ明日が決行日という前日には、すっかり皆の息もぴったりとなっていた。
そして当日、ダンスは気持ちよく決まりプロポーズも大成功だった。
誰もが歓声をあげる中、奈々も夢中で隣にいた潮先生と手を取り合って喜んでいた。
ふと、我に返り、その手を離そうとした瞬間、「離さないで」とグッと体を引き寄せられた奈々は潮先生の腕の中にいた。
【KAC20245】離さないで! この美のこ @cocopin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
おしゃべりな昼下がり/この美のこ
★336 エッセイ・ノンフィクション 連載中 224話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます