空に聳える御城までは、八時ちょうどの飛鳥二号で。

大創 淳

第二回 お題は「住宅の内見」


 ――思いもしなかったお題。想定外ともいえるお題だけど、やはり挑戦することに。



 事の始まりは一通の乗車券。スッと置かれていたの、芸術棟の二階。しかも前回、時限爆弾が仕掛けられていた場所。……と、すれば、心当たりは、もう一人に絞られるの。


 サンタ君。私とは、まるでラパン三世と金型警部のような、そんな関係。


 私は卜部うらべそら。今はその乗車券を見る。撮り鉄の私でも知らないような車両。その車両の名前は『飛鳥二号』……それから一通なのだから、それだけではなかった。その車両が向かう場所は天空となっている。想像するに天空の城。ラセーヌと表記があった。


 そこへ向かうの? 八時ちょうどの飛鳥二号に乗って、私は旅立つ、君から。


 もしかしたなら、そこが君の住んでいた場所だったの? サンタ君だけに、クリスマスの日には天空から、プレゼント持参で。そう思っていると、飛鳥二号はまるで、


 銀河鉄道みたいに、お空を走る。しかも今は八時を少し過ぎたばかりで、雲の上を走っている。夜とは違って白昼堂々と。広がる青空、白い雲の中までも。青と白は、


 地球の色。とても美しい光景だ。そこで辿り着いた天空の城。或いは空に聳える鐵の城とも思えるような、その姿。私は、ついにその仕切りを跨いだ。案内人がいた。


 存在していた。仮面の黒のタキシード。まるで仮面舞踏会のようなスタイル。私はというと、まるで山ガールのようなスタイル。確かにここは山より高い場所だから。


 歩む、奥深く。


 何処まで行くのか、それは指令室。SFでよくある空母のような内見。しかしながら列記とした住宅だ。飛鳥二号の飛鳥さんも大絶賛だ。そこへ着信がくる。その相手は、


 サンタ君。すぐさま私は出た。すると『どうだね、気に入ってくれた?』と、訊いてくる。そこで纏まる、その問いに対する私への意地悪。だとしたら、原因は何?


 まあ、やはり温暖化に対する迅速な対応。


 本当は刻一刻を表したい。その参考に成り得る、この度の天空の城。


 案内の人がたより。この次の指令に繋がっているような予感も只々走った。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空に聳える御城までは、八時ちょうどの飛鳥二号で。 大創 淳 @jun-0824

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ