親の目の前で泣いた最後

 これが別れる前最後の対面でした。私はこの時生理で体調が万全ではありませんでした。なのにも関わらず男は早朝から呼び出し、行き先はホテル一択でした。


 生理中であることは前もって言ったはずなのに。


「できなくもないでしょ」


なんて言われ、脱がされましたね。行為後、ベッドは血で汚れてました。それを見た男はこれ以上身体を求めてきませんでしたが。


「舐める?」


これも私の同意なく男のアレを舐める羽目に。心も身体も苦い思いを抱えました。最後に会った日にされたこと全てが、トラウマとなりました。


☆☆☆


 その後です。私の堪忍袋の緒が切れたのは。身体しか求めてこない人間だと察した私は、1週間ぐらいの間、LINE上で別れる別れないの言い争いを続けていました。


 男が年上だったせいか、話す時もずっと敬語だった私が男に対して怒りをぶつけた際は、タメ口になっていました。私が敬語で話してくることに関してよく思ってなかった男は、


『タメ口でやっと話してくれて、嬉しい』


そう言っていました。


 1週間ぐらいの言い争いの上、疲れた私は男に冷たい言葉を言い放し、LINEをブロックして別れることがやっと、できました。


――付き合って3ヶ月ももちませんでした。


 別れてから初のバイトに行く前、父に別れたことを報告しました。しかし、ここまで耐え抜くことができたはずの私は、父の目の前で大泣きしてしまいました。


「本当に、辛かったんだな――」


父はそれだけ言って、バイトへ向かう私を送り出しました。


 大学に行っても、別れたことは誰にも言えませんでした。卒業後何年かたってからやっと、友達の1人に遅めの報告をしたまでです。


☆☆☆


 男と別れてから、私に次々と不運が襲いました。就職は失敗し、大勢のネット友達から裏切られ、大学卒業後はマイナスからのスタートとなりました。男と付き合い始めてから既に、私は将来を見失ったのです。


 それでもバイト先の方々は、私が大学を卒業してからも引き続き働き続けることを温かく歓迎してくれました。それから現在に至るまで色んなことがありましたが、職場を変えることなく働き続けています。


 あの時の恋愛を反省し、みるみる心も大人になった私は、自らの実力で『登録販売者』というお薬の資格を取得し数多の苦労を重ね、最初から所属したレジ部門から離れ、スーパー内の薬局で勤務しています。


 あの頃とは違い、私は強くなれたのだから。

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将来を見失った私、ここにいる。 はづき @hazuki_com

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