男の言う通りに従ってしまう

 夏休みが終了。その時初めて短大時代の友達、ゼミ内で唯一仲良かった子に打ち明けました。「良かったじゃない!」ってどっちも言うけれど、私は男の真の姿なんて語れませんでした。もちろん、何をされたのかも。


――ただ男の言う通りに従い、自分の意志表示ができなかった、情けない女の私に仲良くしてくれることが複雑でした。


 数日後、友達数人と一緒に遊んだ時のこと。男の仲間の1人とすれ違いました。その時にネット上で何を言われたか。多分LINEだったと思います。


『あいつの友達はなのに、あいつは。』


そんなことを言われ、友達の目の前で怒りをこらえたことをつい昨日のことのように覚えています。


――その子は『男と愛を育んだ場所』だとか言って私と男が行ったホテルの写真を見せ、私を茶化した少年。


私のネット友達一同口を揃え、彼が発した言葉を猛批判していました。


 それを知った男は私に対して申し訳ないって必死に謝っていました。これを境に別れへのカウントダウンが始まったのです。


☆☆☆


 10月、私が通う大学の大学祭に男が現れました。その前にちょっとしたケンカもあり別れそうな空気もありましたが。呼んだのは私で、合間を見て一緒に大学構内回っただけですが。その時だけです。ホテル行きなしのデートは。こっそり私の胸揉んでたけど。


 その頃、就活も真面目にやらないといけない時期。何も焦りを感じなかった私は、自分の就活が男に支配された感もあり、自分がやりたいことが見えなくなっていきました。


 同じ頃だった気がするのですが、男との関係は別れる前に私は両親に話した記憶があります。もちろん、いい顔されませんでした。


「友達からの紹介で知り合った。ってところだよ。」


ネットで知り合ったことを上手く隠し通すための策だったのがバレたからではありません。そのうち私と2人きりで旅行へ連れていく旨の話をされたことを、言ったからです。


「その男を連れてこい。その場で殴ってやる。」


私の父がそう言っていたことを男に打ち明けました。男もそうなることを覚悟の上でした。


 母は一切口を出さずとも、父は何となく察していたと思います。本気で娘の私を心配していたというのが垣間見えてました。


☆☆☆


 そして11月。私が後にトラウマを抱える出来事が起きてしまうのです。

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