❖ あとがき代わりの布教活動 ❖

 『物語改変は許しません ― 転生悪女は花より紅なり ―』をお読みいただきありがとうございます。入鹿なつです。


 華流ドラマにどハマり中の私が、満を持して中華ものを書きました!

 華流ジャンルの中でも特に私が愛してやまないお屋敷ものを、後宮や武侠ブロマンスばかりが中華じゃないぜ!って気持ちで書き上げています。


 大好きな華ドラ作品のネタをあちこちに散りばめてますので、あるあるネタ含めてどの辺りがどんな作品の影響を受けているか、同士ならなんとなく分かっていただけると思ってます。


 『物語改変は許しません』は、宋代の中国をベースにアレンジを加えた世界が舞台です。展封てんほうはもちろん北宋の首都である東京とうけい開封かいほうがモデルです。

 作中に出てくる街並みや年中行事は、孟元老の『東京夢華録とうけいむかろく』を参考に色々と盛ってます。


 主役の一人であるリン墨燕モーイェンが属している皇城司も、宋に実在した機関です。どう考えても厨二心をくすぐられる組織なのに、日本発の中華もので描かれる機会がさっぱりないので自分で書きました。


 皇城司が皇城内と門の警備を主に担っていたのは本編にある通り。

 その職掌の中でもとりわけ特徴的なのが、スパイ活動を伴う監察すなわち官吏たちの監視と汚職捜査です。


 天子直属とあって皇城司の採用基準は厳しく、身元のしっかりした皇帝の外戚や在京の禁軍の子弟、かつ身体能力が一定基準に満たないと入れない、武官としてかなりのエリート集団です。身長も五尺九寸(約178.8cm)以上ないと入れて貰えません。


 こんなハイスペなスパイ集団かっこいいに決まっている!!!!


 ただ、やはり中には皇城司の権限を利用して誣告ぶこくをしたり強請ゆすったり、横暴な者もいたようで、監察という役割も相まって一般には相当に嫌われていたみたいです。

 嫌われ過ぎて、皇城司廃止を求める上奏も繰り返しされています。


 さらには、指揮系統を握る宦官にあれこれ私的にこき使われてもいたのだとか。


 にもかかわらず、結局は宋の時代が終わるまで皇城司という機関がなくなることはなかったといいますから、どれだけ皇帝から重要視されていたか分かります。


 ということで、ここまでが「皇城司かっこいいから皆もっと書こうぜ!」という布教活動でした。明代の錦衣衛きんいえいでもいいぞ。


 他にも本編関連だと、宋代の茶道ではカプチーノどころではないくらいお茶をもっこもこに泡立てるとか、茶税が今で言う消費税にあたるもので民からはめっちゃくちゃ嫌がられてたとか、そういう話も色々と出てきたりはするんですが、とりあえず今は皇城司を知って貰えたら私は満足。


 改めまして、最後までおつき合いくださりありがとうございました。

 作品がお気に召しましたら、★★★レビューや♡応援、コメントでの感想などいただけましたら大変うれしいです。

 年に1作ペースでなにか書いていますので、よろしければまた別の作品もお読みいただければ幸いです。

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物語改変は許しません ― 転生悪女は花より紅なり ― 入鹿 なつ @IrukaNatsu

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