全てが生まれる場所

杉林重工

全てが生まれる場所

「孝介は最近彼女ができたらしい。ちょっとびっくりした。早いものだな。もっとそういうのは後かと思っていた」

「妻から最近、ひかりがおれのことを臭いっていうようになったって言っててね。妻は笑っていたけどちょっと堪えた」

「しょうがないことだとは思うけど、実際にやられるときついな。父さんはどうだった?」


「おれはそんなことには屈しない。戦ってきたんだ。見ろ、正司。こうやって、戦ったんだ」


 老人はベッドの上で薄い呼気を口の端から漏らしながら、ひーこ、ひーこ、と拳を天井に向かって、僅かに振った。進藤正司はヒヤッとして、ベッドのすぐ横、心電図やら心拍数やらが表示されているモニターを見た。やはり、興奮しているからか、俄かに数値が変化した。だが、危険というほどではなさそうだ。


「わかったよ父さん。考えておく」


 無論、娘のそういう心中の機微や、妻の苦笑いに向かって拳を振るう気はない。ただ、父を安心させたい一心で正司はそういった。


「そうか。そうしろ。わからせてやるんだ。がつんとな」


 朽ち、白蟻に蝕まれた木の枝の様に瘦せ細った父は、言葉だけは威勢よくそう言った。鼻にもよくわからない管を通されて、瞼は垂れて、目は黒目しかないようにすら見える。なぜか直視するのを憚られるような気がしたが、それでも正司は真正面から父を見据え、深く頷く。すると、老人は満足したように枕へ頭を預けた。


 マナーモードにしていたスマートフォンが俄かに振動する。ポケットから取り出し、画面をこっそり見ると、妻からだった。サッカー部の息子を車で拾ったから、ついでに乗っていくかを訊ねる内容だった。窓の外はすっかり暮れかけ、赤から怪しげな紫色の影が病室を侵食していた。


「父さん、また来るよ。ちゃんと看護婦さんのいうことは聞いてね」


「ガツンと言ってやる」


 言葉とは裏腹に、実に穏やかな顔で言う。どうやら眠いらしい。なぜか安心して、正司は立ち上がった。


 進藤正司の父、進藤一郎の入院生活は、思ったよりも長くなっていた。それは構わないが、命の代わりに進藤一郎はその記憶を燃やしているようだった。彼の認知症はどんどん進み、正司のことを息子と分かっているのかも怪しいことが増え、最近では若いころのことをよく思い出すのか、やや暴力的な発言が増えた。


「元気そうでいいじゃない」


 帰りの車の中で、妻はそう感想した。多分、別に夫婦仲が冷め切っているわけではないはずだが、なぜかどうにも突き放されたような気が正司はした。運転に集中しているだけだと信じたい。


 サッカー部の帰りの息子、進藤孝介は、別に疲れて眠いというわけでもないだろうが、ずっと外ばかり見ている。最近はめっきり会話も減った。もともと、会話の多い親子ではなかったが。車の中は汗臭いというか、泥臭いというか。そういうものに満ちていた。なんとなく息苦しくて、正司はつい口を開いた。


「部活はどうだ、孝介」


「……別に」


 やや間をおいて、孝介が答える。なんとなく、不満そうだというのはわかる。なにかうまくいかないことでもあったのだろうか。


「振られたのよ」


 夜。先にベッドに入っていた妻、栄子がそう言った。


「え? そうなのか?」虚を突かれて、間抜けな声で正司は言った。


「っていうか、あの子、もしかしたら遊ばれてたのかも。ちょっとかわいそう」


「そんな馬鹿な」


 高校生だぞ。そういうのは、もっと大人になってからじゃないのか。


「そういうものよ」栄子はつん、とそういった。でも、心底同情しているわけではないようで、そんな息子の心の傷も、よい経験、ぐらいにしか思っていないのかもしれない。


「そうか。それはなんか、悪いことをしたな」


 と、言ってから、別に何も悪いことはしていないな、と冷静に正司は思った。気になって栄子の顔を見ると、にやにやしていた。


「なにか、言ってあげないの?」


「そういわれてもな。最近の子供たちのそういうのは、よくわからない」


 正司は首を振り、ベッドに潜り込む。電気を消すのは、いつもなぜか妻のタイミングだ。彼女はまだ消すつもりはないらしい。シーリングライトの明かりを、見上げる。


「そう。お義父さんならどう?」


「なんで父さんなんだ」急に父の話をされ、なんとなくむっとして、正司は妻を見た。栄子は少し驚いた顔でいた。正司のそんな反応は予想していなかったのだろう。


「昔やんちゃだったんでしょう。お義母さんから聞いたけど」


「やんちゃってのはちょっと違うと思うぞ。お前だって知ってるだろう。あれは、おれからするとほとんど家に帰らないだけだ。それに、おれはそうならないようにやっているだけだ、悪いか」


「そう。あなたたちも大変ね」


 早とちりを含んだ夫の言葉を笑うことなく、栄子はただ、そう言って電灯を消した。彼女は寝るときは真っ暗を好む。一点の明かりも許さぬ闇が寝室を覆った。


 次の週の休み、正司はいつも通り、父の見舞いに行った。すると、そこで目を疑う光景を目にした。


「父は、どうしたんですか?」


 思わずナースステーションに駆け込み、正司は担当の看護師に訊ねた。すると、まだ若い彼女は困ったような表情を隠すことなく答えた。


「それが、さっぱりわからないんです。訊ねても、なにも返事がなくって」


「そんな……いつからです?」


「今週の、水曜日ぐらいでしょうか。急にです」


「なんでいってくれなかったんですか」


「別に、様態が変わったわけではありませんし……それに、もうご存知かと思って」


「なんだと? どういう……」


「いいでしょ、あなた。すみません。少し驚いているだけです。先週は随分とまだ、元気だったみたいですから」


 病室から遅れてやってきた栄子が、正司を止めた。


「すみません。今度から、もう少し細かくご連絡しますね」申し訳なさそうに看護師は答える。


「はい、お願いします」


 正司より早く栄子が答えた。そして、彼の背を叩いて、戻るように促した。


「何か知っているのか」廊下で急に足を止め、正司は栄子に訊ねた。


「知りません」栄子ははっきりと言った。


「そうか。すまない。おれもちょっと取り乱した」


「いいんです。わたしも、ちょっとびっくりしました。あんなお義父さん、見たことないから」


 栄子も、看護師の前では普通にふるまっていたが、内心では動揺していたらしい。静かに自分の肩を抱いていた。正司は慌てて、妻の背中に手を回してなだめるように撫でた。


「とりあえず、もう一度父さんに声をかけてみよう」


 自分よりも動揺している人間を見ると、逆に落ち着くというのは真実だと正司は思った。


 進藤一郎の病室に戻る。彼の枕もとのモニターは、いつもと変わらぬ心拍数と心電図を表示し、点滴も静かに佇んでいる。それらに囲まれて、老人は今、白目を剥き、口を半開きにして、両手を頭の横にぴたりとつけた姿勢で、微動だにしない。


「父さん、父さん? どうしたの?」


 正司がいくら声をかけても、老人は何の反応も示さなかった。先週まで、元気そうに拳を宙に振っていた人間だとは思えなかった。


 困り果てて、正司は妻の顔を見た。彼女の顔はひどく青ざめており、普段の様子とはかけ離れていた。


「とりあえず、今日は帰ろう。父さん、また来るよ」


 そういって、正司は父に手を振り、妻の肩を押して病院の駐車場へ戻った。


「なあ、栄子」


 車の中で、正司はエンジンをかける前に、妻に声をかけた。


「何を知ってる? 怒らないから教えてくれないか」


「それは……」


 妻はゆっくりと首を振った。正司には確信があった。妻は何かを知っている、と。


「別に、父さんとの間に、何があっても今更怒らないよ」


 諭すように正司は言った。だが、栄子は首を振るばかりだった。だが、やがて、栄子は静かに口を開いた。


「孝介が、水曜日に、お見舞いに行きたいって言ったの。部活が休みだから」


「孝介が?」


 正司は驚いて栄子を見た。


「相談したいことがあるからって。あの子、ひかりが産まれる頃、わたし達、大分お義父さんとお義母さんに手伝ってもらったでしょう。あの子、結構おじいちゃんに懐いてたのよ」


「そうだったのか。そうなのか?」


 栄子は黙って頷いた。


「あの子、もしかしたらお義父さんに変なこと言ったんじゃないかしら」


「変なことってなんだ」


「わかんないけど。ごめんなさい、二人っきりの方がいいと思って、あの子の話は聞いてなかったの」


 ふう、と、自身を落ち着けるため、正司は深く息を吐いた。


「わかった。とりあえず、孝介にも聞いてみよう」


 妻に何を言っても始まらない。正司は車のエンジンをかけ、家路に急いだ。


「……バッファローだ……」


 部活から帰ってきた孝介に、祖父の話をすると、彼はそう口走った。


「バッファロー?」


 思わず正司は聞き返した。進藤家のリビングに、不思議な緊張感が走った。


「その、色々あって、おじいちゃんとちょっと話したくなったから……」


「それはお母さんから聞いた。それで、それがどうしてその、バッファローになるんだ」


 正司は唾を飲んだ。孝介はずっと、膝を見つめたたまま、いう。


「嫌なことがあったり、つらいことがあったら、やっつけちゃえばいいって。最近、そういうことがあったっておじいちゃんに言ったら、教えてくれたんだ。白目をむいて口を開けて、頭にこうやって手を当てて……」


 どこか、照れるように孝介は両手を頭の横にやり、指先を角のように天井へ向けた。


「こうすれば、やってくるって。全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが」


「なんだそれは」


 呆れ交じりの正司の言葉に、孝介は首を振った。


「わかんない。だけど、来るんだって。全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが」


「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れってなんなんだ。そんなもの、聞いたことがない」


 まるで、質の悪い大喜利のお題の様だ。心底正司はその言葉を嫌悪した。あまりにも人を馬鹿にし過ぎている。


「でも、来るって言ってた。おじいちゃんがアフリカにいた時に。本当に見たって。治安もあんまりよくないし、現地の人とどうしてもうまくいかなくて、仕事が進まない時に、通訳の人が教えてくれたって」


 確かに、進藤一郎は仕事の都合で一時期、家族を日本に残し、アフリカで仕事をしていた。その時、詳細は不明だが、辣腕をふるって出世して帰ってきたのだ。


「そんなのがあったら、事件になっているだろう」


 すると、孝介はパッと顔を上げて、正司をまっすぐに見た。


「アフリカではよくあることだって。お父さんは知らないと思うけど、アフリカではバッファローの群れが木も、土も、川も、ワニも、ライオンも、人間の住処も踏み荒らして突進していくことがよくあるって」


「そうなのか?」


「うん。おじいちゃんがやっていたのは、それを呼び寄せる呪術だと思う。マサイ族に伝わる秘伝の技の可能性がある。嫌なことも、悪いことも、全てをなかったことにしてくれるって」


「そんな馬鹿な」


「でも、本当に呼べるって言ってた。あのポーズをとれば、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れがやってくるって」


「まさか」


 つい、正司は両手を広げ、頭の横に当てようとした。それを、栄子が止めた。


「この話は終わりにしましょう。とりあえず、お医者様も看護師さんも、なにかあったら教えてくれるから」


「そうだな。ばかばかしい」


 正司も同意した。


「でも、見たいなあ」


 はっとして振り返ると、いつの間にか正司の娘のひかりが、リビングのソファに座っていた。


「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ。面白そう」ひかりは本当に楽しそうにそういう。


「滅多なことをいうもんじゃない」


 正司はつい窘めた。


「うん。あんまり起っちゃいけないことだと思う」真面目な顔をして、孝介も言った。


 それから一週間後。見まいに行く準備をしていた正司に、一本の電話が入った。病院からだった。それは、父進藤一郎がいつもの調子に戻ったという、やや拍子抜けするような、安心するような、なんだか不思議な一報だった。


「結局、バッファローの群れなんて来なかったね」


 栄子は葬式の帰りに、夫の正司にそう言った。


「日本だからな」


 正司は割と平静でいて、真っ黒なネクタイを緩めながら、車の助手席に身を沈めた。


「でも、おれは、本当に全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが、来たんじゃないかって思うよ」


「そうなの?」


 栄子は目を丸くした。


「ああ。だって、父さんあれから、なんだかんだ言って二年も生きたんだぞ」


「そういうこと? まあ、そうだといいね」


 複雑そうな表情を浮かべつつ、栄子は同意の言葉を口にした。そして、エンジンキーを回そうとしたとき、彼女の手を正司が止めた。


「なあ、父さんのこともひと段落したし、いろんな手続きが済んだら、アフリカへ行かないか? 否、付き合ってくれないか。できれば、子供たち抜きで」


「どうしたの? ううん、いいよ」


 一瞬困惑の表情を浮かべた栄子だったが、すぐに同意した。


「いいのか?」


「別に。あの子たちも、あなたのことがちょっと気に入らないぐらいには大きくなったから、たまには二人で旅行も、ちょっと楽しみね」


「そういわれると、少し複雑だな」


 しかし、なぜか正司の表情は硬くない。


「ねえ、見たくなったんでしょ」


 栄子は隣で気の抜けた顔をしている夫へ向きながら言った。


「なんのことだ?」


「隠さなくてもいいでしょ。全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ、よ」


 栄子は楽しそうに言った。


「少し違う。なんていうか、父さんのことがもっと知りたくなったんだ。それだけだ。おれはずっと、父さんをなんとなく避けてきたんだよ。でも、あんなふうになってから、少しは、いろんなものが、なんとかならないかなって思って見舞いにもよく行ったんだけど、結局駄目だった」


「別に、そうは思わないけど。でも、仲は悪いなーって思ってた。正直言って、よくお見舞い行くなーって思ってた」


「ひどいな」正司は苦笑いを浮かべた。


「やっぱり、来たと思うよ、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ」


 そう言って、栄子は車のエンジンをかけた。


「え?」


「あんたたち親子のこと。行こう、アフリカ。楽しみ」


 サイドブレーキを外し、シフトレバーをPからDへ。車が滑り出す。


 のちに、このことを妻は後悔した、と何の臆面もなく述懐する。


「手を上げろ、と言っています」


 それから一か月後。夫婦はアフリカにいた。バッファローが見たい、そうサファリの案内人に告げて、サバンナをひた走っていると、不幸なことに、バッファローより先に、もっと恐ろしい、銃を持った人間の群れに遭遇した。息子は後に、全てを乱獲しながら暴走する密猟者の群れ、と呼ぶ。日本とはまた異なる乾いた太陽光線が全身を焼くが、じんわりと汗が全身に滲むのは、別の理由だ。


 通訳を兼ねた案内人の男は、震える声で車から降りるように、と続ける。正司と栄子が車から降りると、日本人の体格なんて比べ物にならないほど大きな男たちが二人を囲んだ。それだけでも勝てないだろうに、彼らは一人一丁ずつ、長い長い銃を携行している。


「手を上げてください! そうすれば彼らは見逃してくれますから!」


 通訳は必至で間抜けな日本人二人にそう言った。栄子は素直に従ったが、正司だけは複雑そうな顔をして、そして、ついにゆっくりと手を上げた。否、その形は寸分たがわぬ、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れの構えであった。両手を頭の横に、そして、白目をむいて口を開く。


「あなた! 馬鹿なことしないで従ってよ!」


 栄子はつい大声を出した。今ここでは、そんなふざけている場合ではないのだ。だが、それでも正司は挑発をやめなかった。だが、そのとき、密猟者たちも顔に動揺が走った。そして、何と言っているのかわからない言葉で口々に言いあうと、彼らは彼らの車でこの場を立ち去った。


「ほらな、やっぱり、脅すならこっちが一番だ」


 得意になって正司は言った。だが、そんな彼の肩を、通訳の男ががっしりと掴んだ。


「なんてことしてくれたんだ!」


 男は叫んだ。全身が震えている。汗も凄い。まるで彼のところにだけ雨が降ったようだった。彼の様子に、夫婦は首をかしげる。


「もう終わりだ。お前達には付き合いきれない!」


 通訳はそういったが早いか、一人で車に乗って去ってしまった。取り残された二人は絶句した。だが、一方で、大地が揺れていることに気付く。まさか、そんな。


 振り返った先、なんと、砂嵐と見まごう天に元届きそうな土埃が上がっている。


「本当に来た」


 まだ見えないが、すでに正司の脳裏には、この焼けた大地を疾駆する、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが見えていた。


「栄子!」


 逃げるしかない。逃げ切れるかはわからないが。とにかく妻の手を取り走ろうと振り返ると、そこには白目をむいて口を半開きにし、両手を頭の横にやっている、あまりにもひどい顔をした妻がいた。


「お前、なにをやって……」


 だが、その時、もう一つの嵐を正司は感じた。


「……来る」


 大地が揺れ、もう一つ、新しい土煙が天に上った。古来より、化け物には化け物をぶつけるしかないと相場が決まっている。


「今日のアフリカは、荒れるわよ」


 人類誕生の地アフリカで、今まさに最新の破壊と創造が巻き起ころうとしてた。


『見たかったなー』


 のちに、二人の娘、進藤ひかりはそう感想している。


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