全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れVSメイド服を着た奇妙なお姉さん
九兆
またの名を壊物語
「ヤベェ! 全てを破壊しながら突き進むバッファローが安心感となじみ深さのあるお姉さんに襲いかかろうとしてやがる!!」
今の状況全てを網羅した説明口調で、金髪の人が
猪突猛進に突き進むバッファローたち。
そしてその先にはメイド服を着た安心感となじみ深さがあるお姉さんがいる。
誰しもがその唐突すぎる戦いを見守ることしか出来なかった。
『大丈夫でしょ。どうせ死んでも死にきれない
ニヤニヤとキミの悪い笑顔を浮かべながら黒い制服の裾を
その通り、正直な話、安心感となじみ深さのあるお姉さんが、あんなバッファローらに襲われて死ぬとは思っていない。
どうせ、また何やかんや適当な力を使って助かるんだろう。
そう高を括っていた。
だが、高を括らない者が二人。
一人は、意識と目が高そうな青みがかった黒い長髪で巨乳の女の子。
そして、もう一人。
今、襲われそうになっている安心感となじみ深さのあるお姉さんだ。
(笑っちまうぜ。まさか僕がこんなくだらねーギャグ漫画みたいな
通常のバッファローであれば、彼女は赤子の手を捻るかの如く楽勝で倒していただろう。
そのバッファローのたちが百億いようが、九兆いようが、千京いようが問題にならない。
だが、しかし。
今、問題なのは。
襲いかかろうとしてきているのは。
敵が全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れであることだった。
全てを破壊するスキルぐらい当然持っているのが安心感となじみ深さのあるお姉さんであり、全てを破壊しながら突き進むバッファローに破壊されようが難なく蘇生できるのも彼女だ。
しかし。
そのバッファローは群れなのである。
通常、地球で活動する全ての存在には、『空気』という壁が立ちはだかっている。
走るのにも、突き進むにも、そしてスキルをぶつけるにも、空気という抵抗により減算された上でぶつけなければならない。
だが、そのバッファローの群れは先頭のバッファローが空気を破壊し、そして後続全てのバッファローの群れが、その破壊力を安心感となじみ深さのあるお姉さんに、空気抵抗を無視して、直接、ぶつけようとしている。
まさに『スリップストリーム』。
くしくも、かつて意識と目が高そうな青みがかった黒い長髪で巨乳の女の子が太古の英雄を倒す為に使った技と同等、いや数で考えれば同等以上の力を持って、バッファローの群れは安心感となじみ深さのあるお姉さんに襲いかかってきているのだ。
「逃げろ!!! 安心──さん──」
通り過ぎる全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れの騒音にかき消され、彼女の声は届かない。
だが、全てを見通すかのように。
安心感となじみ深さのあるお姉さんは。
逃げる、などという無駄で、無理で、そして一度もしたことがないその行為を放棄しつつ。
シニカルに、笑った。
こうして、安心感となじみ深さのあるお姉さんは
全てを破壊するバッファローの群れに襲われ
命
を
落
と
す
展開を破壊するスキル『
手を破壊するスキル『
足を破壊するスキル『
腕を破壊するスキル『
股を破壊するスキル『
爪を破壊するスキル『
耳を破壊するスキル『
腹を破壊するスキル『
腰を破壊するスキル『
ふくらはぎを破壊するスキル『
肌を破壊するスキル『
骨を破壊するスキル『
血を破壊するスキル『
首を破壊するスキル『
口を破壊するスキル『
喉を破壊するスキル『
舌を破壊するスキル『
鼻を破壊するスキル『
脳を破壊するスキル『
頭を破壊するスキル『
髪を破壊するスキル『
心臓を破壊するスキル『
眼球を破壊するスキル『
関節を破壊するスキル『
脂肪を破壊するスキル『
内臓を破壊するスキル『
血管を破壊するスキル『
肛門を破壊するスキル『
人間を破壊するスキル『
武器を破壊するスキル『
防具を破壊するスキル『
制服を破壊するスキル『
靴を破壊するスキル『
眼鏡を破壊するスキル『
下着を破壊するスキル『
財布を破壊するスキル『
五感を破壊するスキル『
感情を破壊するスキル『
意識を破壊するスキル『
常識を破壊するスキル『
食欲を破壊するスキル『
睡眠欲を破壊するスキル『
性欲を破壊するスキル『
欲望を破壊するスキル『
希望を破壊するスキル『
絶望を破壊するスキル『
恐怖を破壊するスキル『
性癖を破壊するスキル『
魂を破壊するスキル『
運を破壊するスキル『
恋を破壊するスキル『
愛を破壊するスキル『
友情を破壊するスキル『
過去を破壊するスキル『
現在を破壊するスキル『
未来を破壊するスキル『
概念を破壊するスキル『
理想を破壊するスキル『
存在を破壊するスキル『
対象を破壊するスキル『
長所を破壊するスキル『
弱点を破壊するスキル『
戦略を破壊するスキル『
人生を破壊するスキル『
伏線を破壊するスキル『
幻想をぶち壊すスキル『
舞台を破壊するスキル『
空間を破壊するスキル『
時間を破壊するスキル『
文字を破壊するスキル『
物語を破壊するスキル『
文化を破壊するスキル『
ルールを破壊するスキル『
ゲームを破壊するスキル『
スキルを破壊するスキル『スキルを破壊するスキル』
学級崩壊のスキル『
家庭崩壊のスキル『
自我崩壊のスキル『
尊厳破壊のスキル『
シリアス展開を破壊するスキル『
ギャグ補正を破壊するスキル『
単行本を破壊するスキル『
破壊出来ないものを破壊するスキル『
二重破壊のスキル『
連鎖破壊のスキル『
環境破壊のスキル『
自爆のスキル『
起爆のスキル『
爆破のスキル『
爆弾のスキル『
ダイナマイトのスキル『
時限爆弾のスキル『
破壊工作のスキル『
ぶっ壊しのスキル『
壊れ性能のスキル『
一撃で破壊するスキル『
全てを破壊するスキル『
世界を破壊するスキル『
星を破壊するスキル『
爆発オチのスキル『
「あっぶねー、まさかこんな動物如きに百個も破壊系スキルを使わされるとは思ってなかったぜ」
バッファローの群れは見るも無惨に破壊され尽くされた!
歓喜する周りの
俺は心配してなかったぜとツンデレみたいなことを言う人の
やれやれ、また勝てなかったぜと勝負してないのになんか格好付けている黒い制服の青年!
意識と目が高そうな青みがかった黒い長髪で巨乳の女の子は
安心感となじみ深さのあるお姉さんに抱きつき激烈な口づけをした!
そんな様子を、ただただ冷ややかに見ていたぼくは一人ごちた。
「うん、安心感となじみ深さのあるメイド服を着た奇妙なお姉さんはそういうことする」
した。
全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れVSメイド服を着た奇妙なお姉さん 九兆 @kyu_tyou
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