【KAC20241】ウミガメの……卵?
ほわりと
第1話
「◯◯には三分以内にやらなければならないことがあった」
「は? なんだよ藪から棒に」
「知らないの? すばるんの好きなゲームだよ? たしか、すいべえ……なんとか? あっ、あともう一つ名前があって、ウミガメの……卵だっけ?」
「……それ、卵じゃなくてスープじゃないか?」
「そう、それそれ! しょうゆのスープ!」
「そうそう、口当たりのいい甘いだしが美味いんだよな……って、ウミガメどこいった」
「えっと、スタッフがおいしくいただきました?」
「食べるな食べるな。食べたらどうなるかわかってるのか? どうせ、昨日のテレビ番組でも見たんだろうけど、見たなら食べた後どうなるのか知ってるだろ。はあ、七海はすぐテレビに影響されるよな」
「どうせ暇だからいいじゃん。私がすばるんの質問に、はいかいいえで答えるから問題の答えを当ててね。問題は、すばるんが三分以内にやらないといけないことがあるんだよ」
「なんか問題変わってないか? 〇〇を当てるんじゃないのかよ。それに元ネタのゲームの問題って、もっと長いものだろ。その問題でどうやって答えを出せって言うんだよ」
「私がはいかいいえで答えられる質問をしてください」
「もう始まってるのか。まあ、いいけど。えっと、それは本当に三分以内にやらないといけないことか?」
「やらないといけません。冷たいまま食べたくないもん。あ、そうだ、当てられなかったら罰ゲームだよ」
「……俺の質問に、はいかいいえで答えるんじゃなかったのか?」
「あっ、そうだった!」
「今のは聞かなかったことにするから、七海も言わなかったことにするんだぞ?」
「あっ、うん。わかった!」
「よし、七海がポンコツでよかった。次の質問をするぞ。それは七海がして欲しいことか?」
「そうだよ」
「……はぁ。罰ゲームを取り消しておいてあれだけど、もう答えわかった」
「えっ、ウソっ!?」
「さっきからチラチラと冷蔵庫の方を見てるだろ。たしかに無くてもいいけど、あったほうが美味しくなるんだよな。少しくらい食べてもバレないし、冷蔵庫から持ってくるか。七海は何個いる?」
「ななみんだから、ななつ!」
「そんなに入れたらトッピングがメインになって、本当にウミガメの卵のしょうゆスープっぽい見た目になるだろ」
「いっぱいあるんだからいいじゃん。すばるんのケチ!」
「いくら母さんが間違ってキロ買いしたとはいえ、バレたら怒られるのは俺なんだぞ。ふたつで我慢しとけ」
「昨日の夜にすばるんのお母さんが作ってくれた八宝菜にいっぱい入っていておいしかったよね。あれっ? これってそのまま食べれるの? 料理しないとなんじゃない?」
「これは水煮だから、そのまま食べられるんだ」
「へえー、そうなんだ。カップうどんも水煮があればすぐ食べられるのになぁ。そんな夢のようなうどんって、どこかにないかな?」
「この前の給食で似たようなのが出ただろ」
「すばるん君、ソフトめんはソフトめんであって、うどんじゃないのだよ。あれはソフトな麺なんだよ!」
「七海はいったい何に対してドヤ顔してるんだ」
「すばるんと話してたら三分経ったね。やっと食べられ……」
「ああそうだ、いい忘れてたけど七海の問題は間違ってたぞ。蓋をよく見ろ、このカップうどんは三分じゃなくて五分のやつだ」
「……あっ、ほんとだ! うぅ、私のお腹はあと二分も待てないよー」
【KAC20241】ウミガメの……卵? ほわりと @howarito_5628
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます