正義と英雄の連鎖

かめちい🐢

正義と英雄の連鎖

 物事の終わりという物は突然やってくる。幾年にも及ぶ人間の国と魔人の国の戦争の中、英雄は突如として表れた。彼の名はカルロス。人間の国の小さな村で静かに暮らしていたが、突如とやってきた魔人の軍団に両親を殺された。カルロスは奮起した。罪なき人間を殺す恐ろしい魔人共をこの世から滅さなければという使命に燃えたのだ。


 いくつもの試練が彼の前に立ちはだかった。カルロスは味方と共に魔人の国と協力関係にあったゴブリンの国、スライムの国など、いくつもの国を滅ぼした。そしてついに、その時がやってきた。人間と魔人の最後の戦い。カルロスの八面六臂の活躍で人間はついに魔人の国を滅ぼした。カルロスは人間にとっての英雄になった。戦争のあと帰国すると多くの人々が出迎え、カルロスを祝福した。ついに戦争は終わった。せかいに再び平和が戻ったのだ。誰もがそう確信したその時、一矢の矢がカルロスの胸を貫いた。


 その矢を放ったのは幼いゴブリンの少女だった。戦争に無関係な父母をカルロスに殺されたそのゴブリンの少女はカルロスに復讐するその時を待っていたのだ。そのゴブリンの少女はすぐさま人間によって殺されたが、彼女は生き残ったゴブリン、スライム、魔人達の間で英雄と崇められ、彼らがより強固な絆で団結するシンボルとなった。


 こうして世界は再び争いの時代へと突入していくのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

正義と英雄の連鎖 かめちい🐢 @kametarou806

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ