本日零時2分からドラマティック

一行目から作品の世界に惹きこまれ、冷ややかな夜の空気に放り込まれたような心地でした。
文字が放つ鮮明なもどかしさ、暗闇をひとり見つめるような描写には舌を巻きます。
流れるような文章に込められた熱量、渦巻いては溢れ出す心象たち。

自分は抗えたのにそれをしなかった、幸せになるための努力なんていらなかった、続く言葉の数々が、確かな質量を持って心に落ちていきます。

喪失感よりも強い安心感の中で、格闘しながらも息を吸う―――。


心悲しい現実の中にも、ひそかに眠っている数多のドラマ。
それが自分にしか聞こえないとしても、変わらない世界と閉絶されたものだとしても。
たとえ意味がなくたって、過去の風…続きを読む