60代おっさんのかくしごと

第3話 その1

かくしごと に関して、時と場合だけでなく、知人についても注意が必要と痛感した。

昨日起きたことを話そうか。

普段通りに朝から仕事にとりかかっていたのだが、スマホにSMS受信を知らせる振動音。

親戚縁者には、仕事中は出ないと念押ししており 勧誘系かと画面を覗くと、同級生とおぼしき名前が。 後でみればいいかと仕事を再開した。

面倒な処理の案件を済ませて、そうだと思いだしスマホを覗いたところ、自分のかくしごとについての確認、いや質問が。 どどど、どういう事だ？

冷静を装っていたはずなのだが、社内のチームメンバーから

「大丈夫か？ 顔まっ青だぞ」と声をかけられ、大丈夫だと返すのが精一杯だった。

いつどこで、ばれた？ 何で、彼が知っている？ 色々と想像するが思い当たる事がない。

とりあえず、SMSに返信するしかないか、と腹をくくり 当たり障りのない返信を送るのに

苦心した。