僕は君に“好きだよ”と言った途端、急に君を好きじゃなくなってしまった!

神石水亞宮類

第1話 僕は君に“好きだよ”と言った途端、急に君を好きじゃなくなってしまった!




・・・なんでだろう?

僕は君に“好きだよ”と言った途端、急に君を好きじゃなくなってしまった!

あんなに君の事が僕は好きだったのに、“それを君に言葉にして言ったら?”

気持ちって冷めちゃうものなのかな?

僕は一体? どうしちゃったのだろう。

君を見る度、ときめいていた僕はココにはいない!

君を見ていてもなんだか物足りないと感じてしまう。

“君が変わった訳じゃない、間違いなく僕の気持ちが変わったんだ!”

君は僕にそう言われて、顔を真っ赤にして僕の言葉を受け止めてくれたと

いうのに、なんて僕は酷い奴なんだよ!



・・・だからって、僕は君が嫌いになった訳じゃない!

ただ“君に全くトキメかなくなっただけだ。”

僕はもう君に“恋”をしていないのかな?

僕もこんなの初めての事で、困惑しているんだよ。

そんな僕の心を君は気づく事なく、僕に笑顔で話しかけてきた。



『ねえねえ? 今度! 二人で映画でも観に行かない?』

『えぇ!?』

『ごめん! 映画とか嫌いだった?』

『・・・ううん、』

『どうしたの? 興一クン、最近考え事してるのか? 一人でボーっと

してる事多くない? 私でよければ話ぐらい聞くよ。』

『・・・ううん、大丈夫! ごめんね、心配かけちゃったね。』

『“私達、もう付き合ってるんだし! 何でも私に相談して!”』

『うん、どうしようもなくなったら? 相談するよ。』

『“私は、興一クンの味方だからね!”』

『うん、』




彼女は本当に優しい!

彼女のそういう優しさに触れると? 僕も優しくなれる気がするんだ!

それでも? やっぱり僕は彼女にときめかない!

彼女に“好きだよ”と言ってから僕は彼女にときめかないんだ。

あの時のあの言葉は、“本当に僕は彼女に言うべき言葉だったのか?”

僕は彼女に好きと言わなくても、“彼女と付き合えたのではなかったのか?”

でも? 彼女に僕は“好きだよ”と言った事で、彼女は僕にときめいている。

まるで僕と彼女の気持ちが入れ替わったみたいだ!

彼女は今の僕のように、全くときめいてくれていなかったのかな?

僕と入れ替わった事で、君は僕に今! ときめいている。

それは? “どちらにとって良い事だったのか?”

僕と君が同じだけの気持ちで好きだったら、上手くいってなかったのかな?




・・・僕はどうしたらいい?

いつか? 僕はまた君にときめく日が来るのだろうか?

それでも僕は君と別れる選択は一切していない!

ある日突然! 僕はまた君にときめく日が必ず来ると信じているから。

だからそれまで、僕と一緒にいてください。

また、僕は君にときめきたいと想っているから!



“それと? 君にときめかない僕を許してください。”

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僕は君に“好きだよ”と言った途端、急に君を好きじゃなくなってしまった! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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