第31話 悪巧み横行で延長祈願
天海は現状を憂いて祈祷を行っていた。「神よ、仏よ。我らの命、今しばらく、保たせて頂けませぬか。任せられる政権が誕生するまで」と悲痛な叫びに似た様相で懇願していた。「相分かった」と声が聞こえた。「かたじけない」と天海は、天に合掌し、深々と頭を垂れた。すると、何やら熱いものが体を覆い尽くす感覚を味わっていた。目の前に転生させられた仲間たちの命の蝋燭の長さが伸びる瞬間を見せられていた。
侍日本党は、現在の日本を憂いて神仏が現在とパラレルワールドを合体させて存在させた世界だ。野球に例えるとワールドシリーズに先に進出し、対戦相手を待っている状態だ。その対戦相手が、進出目前で大きく躓いて脱落の危機に陥っていた。その対戦相手候補が自由民党だ。LGBT法案と献金の記載漏れで国民の信頼を大きく失望させ、党首争いの醜さや親中議員優遇などで、中酷排除の米国と足並みをそろえられない不安から野党第一党から転げ落ちようとしていた。侍日本党は、魂の集団であり、現実に生きる国外の人間とは対峙できないでいた。
野党第一党の自由民党の石庭は、要人と親交を深めたり、問題を定義したりできる貴重な時間であるG20でスマホと睨めっこし閉鎖的な態度を取り、自ら孤立を望み、集合写真には遅刻すると言う前代未聞の醜態を晒していた。
徳川家康総理大臣
「何だこ奴は。武将ならば誰よりも目立つが信条」
天海副総理
「他の者と話すのが苦手とは心許ないですなぁ」
豊臣秀吉厚生労働大臣
「黙るわ、寝るわでは武将など務まらぬわ」
天海副総理
「家康様、秀吉様が侍姿でご出席なされたら円陣が出来ますな」
服部半蔵国務大臣
「それは面白い。忍者も人気とあれば私も参加しますかな」
天海副総理
「それは宜しいな」
本田忠勝政調会長
「余談はそこそこに。兵庫県が大変なことになっておりまする」
豊臣秀吉厚生労働大臣
「播磨・播州など幾つもの藩じゃな」
参列していた者の脳裏に兵庫県県政と選挙の様子が浮かび上がっていた。
豊臣秀吉厚生労働大臣
「濡れ衣ではないか。配下の者の裏切りか、許せぬ」
徳川家康総理大臣
「寝返るどころか捏造ではないか。愚かな事。首謀者に切腹を言い渡せ」
天海副総理
「そうしたくても今の世ではそうは参りませぬ」
服部半蔵国務大臣
「原因は古参の既得権者の我儘で御座います。悪代官という奴です」
本田忠勝政調会長
「民は瓦版に騙されず、良き選択したようで」
徳川家康総理大臣
「ならば、問題はないではないか」
豊臣秀吉厚生労働大臣
「甘いぞ、家康殿。フグの毒は病みつきになるものよ。失脚を諦めぬわ」
天海副総理
「流石、秀吉様。悪代官の企みに澱みはないかと」
服部半蔵国務大臣
「そのようで御座います。悪巧みに飽く事なきことと存じます」
軍師・黒田官兵衛
「稚拙な悪はボロが出るのが必定。語らせばボロボロになりまする」
軍師竹中半兵衛
「官兵衛に同意。お白州に誘き寄せ、事実を語らせばよい」
天海副総理
「そうですな。確か橘と言う者が喧嘩を吹っ掛け、お白州に引き摺り出すようで御
座いますぞ。語るに落ちるもあるやも。面白い」
徳川家康総理大臣
「まぁ、よい。国政には影響しない。半蔵、配下を送り込み、闇を明るみに炙り出
せ。手段は問わぬわ」
服部半蔵はすぐさまその場を離れ、配下を兵庫県に送った。
(主な登場人物)
徳川家康総理大臣 織田信長→豊臣秀吉→徳川家康
天海副総理 豊臣秀吉→徳川家康→明智光秀改め天海
伊達政宗幹事長 徳川家康→伊達政宗
本田忠勝政調会長
小西行長財務・総務大臣
島津義弘外務大臣 伊達政宗→島津義弘
服部半蔵国務大臣 明智光秀 明智光秀国務大臣→服部半蔵
石田三成厚生労働大臣
加藤清正資源大臣
黒田官兵衛渉外大臣
お江経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」
ガラシャ副幹事長・細川ガラシャ
豊臣秀吉厚生労働大臣 裏では、軍師竹中半兵衛と黒田官兵衛が動いていた。
江藤新平法務大臣「司法卿」
立嫌民臭党
侍日本党 龍玄 @amuro117ryugen
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