第20話 告白 3

 僕がその後、目が覚めると、そこには白い天井が見えた。

 周りを見渡すと、どうやら病院にいるようだ。

 点滴をしている。何故だ。僕はどこか悪くなったのだろうか。

 すると、病院の引き戸のドアが開いた。そこには六十くらいだろうか。かなり高齢の看護師が姿を現した。

「良かった、目が覚めたんですね。家の中であなたが気を失っているのを見て、管理人さんが救急車呼んでくれたんですよ」看護師は両腕で抱きしめるようにカルテを持ち、目に涙を溜めていた。

「気を失っていた?」

「そうですよ。管理人さんは今日お見舞いには行けないっていってましたけど、あなたの身内の方が今日来てくれる予定なんで」看護師は目に涙を溜めていたのを指で拭き、笑って見せた。

「身内が……」

 僕は何のことかさっぱり理解しがたかった。関根さんと話をした後に、一気に視界が暗くなって、その後にこの光景だ。あの占い師のいった通りに……。

 ん?

 その時、僕はふと気づいたことがあった。

 それは、この看護士が、どこかあの占い師のように皺だらけの笑顔だったからだ。

「それでは、私は失礼します」

 そういって、彼女は再度ニコッと笑って部屋を後にした。

 僕は窓の外の空を見上げた。

 ……さて、色々とやることがあるな。

 心は希望に満ち溢れていた。

窓からはカーテン越しに光が照りだしていて、後押しをしてくれているようだった。

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IMPACT ~もう一度逢いたい~ つよし @tora0328TORA

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