詩「肌」

『受け継ぐ手』


あかぎれの手に

軟膏を刷り込む


この手は祖母の手

私の手に似てるけど

指の形が祖母のもの


大きくなったと抱えられて

祖母の指はよく見てた

温かくて柔らかで

肌が少しかさついていた


祖母になった私は

私のことを抱く


私はいつも寂しくて

祖母はいつも温かくて


この手は祖母の手

私が引き継いだ手


***


大人になって加齢が進むと、自然と当時の父母や祖父母が顔を出すことがある。そういうとき、人は死んでも魂が残るなどと言うのかなと思う。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ブラックライトに映える星々~俳句・短歌・詩企画~ 秋犬 @Anoni

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ