NECO106

@saketomirin

第1話

吾輩はネコである。

名前は・・・・とむ。

只今、とある輩と

デットヒートの真最中。

その輩とは・・・

別名を"あぶら虫"、通称"G"。

テキは吾輩のご馳走、

"ちゅーる"をスキあらば

横取りしようと狙っているのである。

ご主人様と一緒に

この此処へ引っ越して一週間。

今、火花を散らしているこの"G"

我々が引っ越す前から

此処に住みついていることもあり、

"G"なのに態度が"L"なのである。

ここは一発の猫パンチで

仕留めなければならない。

テキをよ〜く観察して

スキを見て猫パンチをお見舞いした

が・・飛び立って何処かへ

消えて行ってしまった・・・。

チッ。逃したか。

しかし、この"G"のことで問題がある。

此処には何匹の"G"がいるのだろう。

もしかすると∞なのかもしれない。

これから何回デットヒートを

繰り返すのかを考えると頭が痛くなる。

気晴らしに散歩に出かけよう。

いつもの散歩コースを歩いていると

上からカジキマグロが降りて来て

地面に刺さり、二つに割れて

中から魚型のサングラスが現れた。

それを取り出しかけると

「やあ。ワンオーシックス。調子はどうだい?

 早速、本題に入るが、先日マタタビ堂から

 発売されたキャットフード

 "ネコがコイするあかサカナ"

 に原料偽装の噂が出てきた。

 真偽を確かめるため、マタタビ堂に侵入し

 商品を送ってくれ。

 幸運を祈るよ。

 尚、このデータは5秒後に消滅する。」

サングラスを外し口の中に入れ5秒後

口から火を吹きカジキマグロを

ミディアムに焼き上げ、ナプキンを

首に巻き、ナイフとフォークで

カジキマグロを美味しくいただきながら

タブレットを出しCatGPTを

使い作戦を練る。

夜、静まり返ったマタタビ堂の倉庫前。

入り口は暗証番号が無いと開かないが、

吾輩は知っているのだ、目立たないところに

猫専用の扉があることを。

その扉は肉球を当てて"にゃ〜"と鳴けば

開くのである。

中に入り出荷前の"ネコがコイするあかサカナ"

を取り出した。

すると何処からともなくネズミが現れた。

このネズミ、我が組織の情報部員である。

ネズミの背中にサンプルを巻き付けると

ちゅ〜と鳴いて四次元に消えて行った。

一仕事を終え疲れて家に帰ると

「とむぅ〜。聞いてくれよぉ〜。」

とご主人様の声。

今は時計の針がてっぺんで重なり合う時間。

御主人様にとって酒を飲みながら

吾輩に愚痴る時間の始まりである。

両手で顔を包み“ふみふみ”

肉球を“ぷにぷに”

背中を“なでなで”

尻尾を“すりすり”

酔い潰れるまで続く

エンドレススキンシップである。

これがミッションであったなら

即、麻酔銃で眠らせるのだが・・・

今宵もテキトーに付き合うとするか。

窓から朝日が降り注ぐころ

「へ〰︎っくしょん〰︎。」くしゃみと共に

体を掻いているご主人様。

実は極度の猫アレルギーなのさ。へっ。




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