忘れない
岩田コウジ
首輪を外す日
昨年、うちの子の1匹が表層のガンを患いまして。
幸い手術が上手くいき現在はとても元気に太っております。
猫に限らず動物と暮らしていれば必ず通らなければいけない道がお別れです。
私も総数で言うと15匹程と一緒に暮らしました。
老衰で天寿を全うした子もいればエイズで1年持たなかった子、白血病で亡くなった子もいます。中には車に撥ねられてしまった子も。
特に印象深いアルビノだった子は先天性の遺伝障害で突如運動機能を失い、1歳半ばの短い一生を終えました。
最期の時は苦しかったのか、或いは何もわからなくなってしまったのか暴れて暴れて、ひとしきりのたうち回った後やがてすっと意識を途切れさせました。
私の腕に深く食い込んでいた爪が徐々に力を失って、目を見開いたまま口の脇から舌がだらりと伸びた姿は忘れられるものではありません。
命の終わりを強引に突きつけられた辛さと、苦しみから解放された安堵と、この子のいないこれからの喪失感。
それらがない交ぜになって、只管に悲しかった。
最近は予防接種も進んだおかげで障害や重い病気にかかる心配はぐっと減りましたが、それでも18歳を超えた長老なんかを見ているとどうしてもお迎えのことを考えてしまいます。
20年だろうが半年だろうが、全員一生懸命に生きています。
どの子も1匹とて同じ子はいなく、全員掛け替えのない大切な家族です。
神様は気まぐれなので、突然家族を連れて行ってしまうことも残念ながらあるでしょう。
ですから皆さん、今できる精一杯の愛情を猫ちゃんに注いであげてください。
お別れの悲しみはきっと、思い出が支えてくれますから。
こんな話にお付き合い頂きましてありがとうございました。
忘れない 岩田コウジ @burning-fire
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2011年3月11日の日記/岩田コウジ
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