第14話rhapsody②

朝の駅

その日もホームには電車を待つ乗客で溢れていた

職場へ向かうサラリーマンやOL達

そして学校へと向かう学生達

様々な人たちの人いきれがそこには溢れていた

玲奈はそんな人々の真ん中で鞄を手にポツンと一人で佇んでいた

寂し気な様子で玲奈は無意識にその顔を俯かせていた


小さな時にある日突然として玲奈は両親を失っていた


事故死であると祖父の豪蔵は言っていたが、その真相は定かでは無いとも玲奈は伝え聞いていた


如月姉妹と出会ったその数日後の出来事だった


ややあってから駅の構内に列車の到着を告げるアナウンスと同時に

ガタゴトと音を響かせながら列車はその構内へと滑り込み

玲奈や他の乗客達の前で止まり

その扉を開いた


そしてまずはその扉からこの駅で降りる人達が履き出る様に出て来た


ホームの上はその電車から降りた人とこれからの乗車を待つ人たちで一層に人の群れが溢れ出していた


『いつも同じね……』


そんな事を思いながら玲奈は降車する人の流れが切れ今度は乗車をする人が作る流れに乗りその車内へと入って行った


『もう、この混雑には本当にウンザリだわ』


そう思いながら人の溢れるその車内を見渡した

ややあって列車は力む様にグッと一旦、玲奈や他の乗客達の身体を横に引くとスムーズに動き出し、その車窓から見える光景は列車の向かう方向とは反対の方向へと滑る様に流れそして消えて行って


と、その時、玲奈は車内に溢れる人の中に見知った人の姿を見付けていた

玲奈はその人物、少女を見付けた事が嬉しかったのか、にんまりとした笑みを顔に浮かべながら、その少女の居る方へと近付くと


疲れてでもいるのか将又、夜更かしでもして寝不足なのか、座席に座り呑気に眠りこけている少女に声を掛けた


「きっ・さっ・さ・らぎ・さん♪」








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