野良の声〜絶望の淵

ucioriko

第1話完結 生きていけるのか

暑い。

ママは何処?

目が見えないから、ママが見つからない。

匂いで探す。

必死に探す。

ここは何処なのか、何も分からない。

ママを探すしかない。


お腹が空いた・・・。

もう何時間も探してる。


ママの声がした。

声のする方に向かう。

ママだ!!!


ママに近寄ると、ペロペロ舐めてくれた。

ママは暖かい。

おっぱいを飲めた。

けど、すぐ兄弟に押されて上手く飲めない。

僕は必死に飲もうとしてしがみつく。

何とか飲めたけど・・・、ママ?おっぱい出ててないよ・・・?


ママは、僕達を安全な所に隠れさせて食べ物を探しに行った。


ママは、いつ帰るのか兄弟も分からない。

やがて一歩踏み出したお兄ちゃんが、大きい黒い鳥に攻撃されて動かなくなった。

僕達は、怖くてどうしたら良いか分からなかった・・・。

ママが帰って来た。

けれど、ママは元気がない。

赤いものを付けてる。

何だろう?

ママ、どうしたの?

おっぱいを飲んだけど、ママは動かない。

ママ!ママ!

兄弟とママの近くに居たら、黒い鳥が来た!

逃げろー!とママの教えを思い出して逃げたけど、また兄弟が動かなくなった。

もう、2人になった。

どうする?

ママの傍を離れたくない!と言った。

ママは、翌朝トラックから降りたにんげが黒い袋を持ってママをそこに入れて立ち去った。

僕達は、悲しみの連続で生きる事を諦めていた。


オシッコがしたくて、ママに教えて貰った場所に行ったら人間が怒鳴っていた。

何で?

オシッコしたいだけなのに・・・。

僕達は、生きているのがいけないの?


夜、食べ物を探して歩いた。

食べ物だけじゃくて、水もなかった。


最後の兄弟は、探してる最中に動かなくなった。

どうしたの?

何も出来なくてごめん。

一緒にいたかったのに。

僕も、どうやったら生きていけるのかが分からない。


寒くなってきて、虫じゃお腹いっぱいにならなくて、何か身体がおかしい。


だんだん、身体が動かくなってきた。

ママが教えてくれた、トイレのばしよに行ったら誰かいるかもしれない・・・。


最後の力をふりしぼる。

喉が渇きすぎて必死に探す。

だけど、人間に見つかって。

恐い!

大きい声!

汚い!って何だろう?

汚れてるから、触っちゃ駄目ってどんな意味?


分からないまま、ここで兄弟とママと来ていたトイレの場所。

着いたと思ったら、トゲトゲで足が痛い。

もう駄目だ・・・。


自転車の止める音?

人間の声。

怖いけど・・・

何か言ってる?!

「君は、何処からきたの?

どうしたの?」

うっすら、聞こえるけど僕はその声でもう最後を感じた。

遠くに聞こえる声。

体温が高くて、頭も痛くて、鼻からどんどん液体が出て、匂いも分からない。

もう、どうでもいい。

諦めた。

声が聞こえてからしばらくして、人間の手に捕まった。


この先は、もう人間の皆様には想像が付いていると思います。

決して、ハッピーエンドが奇跡の話。

残酷な、未来が事実が沢山あります。

これが、現実です。


END




僕達は

選択肢がない

この人間達の決めたルールの中で

必死に生きるだけ

トイレをしても怒られる

食べ物を食べても怒られる

ご飯をくれる人も怒られる・・・


僕達は生まれちゃいけないのかな・・・。

僕達は、生きていたらいけないのかな・・・。

僕達がお外で生きるためには、何が正解なの?



猫達は、ただ一生懸命生きているだけ。

そう思うのは、私だけでしょうか・・・?

私もし猫だったら・・・、こんながんじがらめの人間のルールの中で、猫達が生きて行くのは無理だと思います。


皆様は、このお話しを読んでどう思いましたか?

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野良の声〜絶望の淵 ucioriko @uminori

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